企業は資金が必要になった際、金融機関に融資を依頼しますが、逆に金融機関側から企業へ「お願い」をすることもあります。
その代表的なものが金利の引き上げ(利上げ)です。
昨今、普通預金口座に付く利息を意識する機会が増えたのではないでしょうか。預金金利が上がるということは、企業が金融機関に支払う利息も増えるということであり、今後さらに引き上げの打診を受ける可能性が高まっています。
金利上昇局面において、銀行から引き上げを求められた際にどう振る舞うべきか、そのポイントを整理しましょう。
金利引き上げを求められたら
みなさんが日頃から付き合っている金融機関から「金利の引き上げをお願いしたい」と言われたら、次のような回答をしていないでしょうか。
「金融機関のほうが立場は上だから従わざるを得ない」と諦めてしまう経営者もいれば、逆に対話を拒否してしまう方もいるでしょう。
感情的に拒否をしない
「うちの経営が苦しいのは分かっているだろ、なぜ引き上げなんてするんだ」「おたくの都合に振り回されるのは御免だ」「だったら他行で借りるからもういい」……。思わずそう言い返したくなる気持ちは、痛いほど理解できます。
日々努力して利益を出している企業にとって、金利引き上げはその努力を削り取るものに他ならないからです。
しかし、これまでの「金利のない世界」から「金利のある世界」へと環境が激変しました。金融機関も営利組織である以上、利益を確保しなければなりません。全く対話ができない顧客に対しては、金融機関側も今後の融資に慎重にならざるを得ないのが実情です。
かつてのような低金利競争の時代は終わり、金融機関は「融資残高」だけでなく「利益を得られる融資先かどうか」を厳格に見ています。採算が合わないと判断されれば、無理に融資を継続しないという選択肢も取られるようになっています。
交渉の場で感情的になりやすい経営者の方は、特に注意が必要です。
すぐに返事をしない
金融機関も商売であると理解したとしても、「はい、分かりました」と即答する必要はありません。急な打診に戸惑うのは当然です。まずは、
「このお話はいったん預からせてください」
と伝え、回答を持ち帰りましょう。その場で即決しないことが重要です。
その上で、引き上げを受け入れざるを得ないのか、どこまでなら許容できるのかを社内で協議したり、顧問税理士やコンサルタントに相談したりする時間を確保してください。
この「持ち帰り」は拒否ではありません。金融機関から見れば「冷静に対応し、自行(金融機関側)の提案を真剣に検討してくれている」というポジティブな評価にもつながります。
理由と根拠を確認しましょう
金利が変動するのは、市場の動きだけが理由ではありません。各融資先の経営内容(リスク)や取引状況も影響します。
今回の打診が「市場要因」なのか、それとも「自社の経営状況」に原因があるのか、担当者からしっかりと根拠を聞き出してください。
融資金利が「基準金利 + 上乗せ金利(スプレッド)」で構成されている場合、提示された上げ幅が基準金利の改定分と同程度であれば、市場連動による転嫁として、ある程度はやむを得ないでしょう。
しかし、それを大きく超える上げ幅を提示された場合は、自社の業績悪化や信用力の低下により、貸し倒れリスクが高いと判断された可能性があります。
もし自社の業績が芳しくないとしても、言われるがまま受け入れる前に、何らかの「落としどころ」を探る姿勢が大切です。
- 自社はどこまで金利引き上げを許容できるのか (支払利息が増えてもキャッシュフローは回るか、利益は残るか)
- 金融機関の提案を受け入れる代わりに、条件交渉ができないか (担保の解除、返済期間の延長、追加融資の確約など、自社にメリットのある条件を引き出せないか)
「引き上げを受け入れるので、その分、当社にもメリットのある提案をしてほしい」と交渉したり、せめて「現行金利と提示金利の中間」で着地できないか打診したりすることは、経営を守る上で必要なアクションです。
大事なのは金利よりも「今後の資金調達」
経営者にとって、利息の増加はせっかくの利益を削る痛い出費です。しかし、金融機関も市場やリスク、経費を考慮して動いています。
今後も円滑な資金調達を続けていくためには、金融機関の言いなりになる必要はありませんが、どこかで折り合いをつける「協調姿勢」も求められます。
金利という「点」の交渉にとどまらず、将来にわたるパートナーシップという「線」で考え、戦略的な対話を進めていきましょう。
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