自己資本がマイナス

貸借対照表

ホームページにアクセスしてくださったキーワードを確認すると「自己資本 マイナス」を見かけることがあります。

自己資本とは

自己資本とは貸借対照表の右下にある純資産のことをいいます。株主からの出資部分とこれまでの利益の蓄積等が計上されていますから、順調に経営が続いていればここはプラスの金額になります。

貸借対照表

この貸借対照表見ると純資産には300とあります。出資によって200、これまでの利益の累計が100あることが分かります。

借入金や社債は期日に返済しなければならない負債ですが、自己資本といわれるように純資産はその必要がありませんから、これが大きいほど安全性の高い企業となります。

自己資本比率

自己資本比率とは、総資産に占める自己資本(純資産)の割合をいいます。計算式は次のとおりです。

自己資本比率=自己資本÷総資産×100

自己資本比率が高いということは、返済義務のない方法で資金を調達しているのですから、経営の安全性は高いことになります。

図表1の貸借対照表から計算すれば、30%(300÷1000×100)です。業種や企業の規模にもよりますが、中小企業は10%台や一ケタ台も多いですし、30%あれば金融機関からは安全性の面で高い評価を得られるでしょう。

自己資本がマイナスとは

一方で、マイナスになっている企業も少なくありません。自己資本がマイナスの状態を債務超過といいます。これまでの赤字によって利益の蓄積がないばかりか、資本金を食い尽くした状態です。

債務超過の貸借対照表

図表2では、左側の資産は合計600ありますが純資産はマイナス100です。それを借入金で賄っています。

これでは仮に資産をすべて現金化し600あったとしても、負債の合計は700ですから全額を返済することができません。

債務超過の状態では、全資産を処分し資金化しても負債を返済できません。このような企業に対して金融機関が融資をするのは非常にリスクが高いため、債務超過にある企業への融資には消極的になるのです。

融資を受けたければ、信用保証協会の保証や優良担保を求められるケースが増えます。あるいは実現可能性の高い経営改善計画を策定し、早期の黒字化や債務超過解消が求められるようになります。

自己資本がプラスでも油断できない

自己資本がプラスであっても油断はできません。なぜなら、貸借対照表が正しい数字を計上しているとは限らないからです。

左側にある資産ですが、実際にそれだけの価値があるかといったらそうでもないことがあります。

例えば次のようなケースがあります。

・売掛金の中にはすでに倒産あるいは長期間回収ができていないものがある
・ずっと売れない商品が含まれている
・固定資産は減価償却せず購入時の価格のままである

もしそのような資産価値の無いものがあれば資産から差し引きます。それは金融機関でも同じように処理しています。先ほどの図表1のように資産が1,000あっても、詳しく精査していくと実際には図表2のように600しかないことは非常に多いです。

そして差額は自己資本(純資産)を減額するのです。だから資産超過に見えた貸借対照表が実際には債務超過だったということもあるのです。

自社の貸借対照表を確認してみると債務超過ではない、しかし実際には不良資産が多額にあり、そのためか金融機関の姿勢が最近冷たいと感じるようでしたら、すでにそのように見ているのかもしれません。

一度自社の実態を確認してみることをお勧めします。

銀行や税理士事務所等で勤務した経験を活かし、経営者の右腕・参謀として資金繰りや経営改善、銀行取引についてご支援します。相談できるコンサルタントや専門家がいなければいつでも連絡してください。

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