取引銀行から融資を断られた場合

銀行融資

12月が近づいていることもあるでしょうが、このブログで資金繰りを中心に平日は毎日更新している効果もあり、相変わらずご相談をよく頂きます。

赤字や借入過多で新たな融資が出ない、返済額が多いため資金繰りが苦しいという悩みです。

それともう一つが税金の滞納です。経営者が自分の資金を会社に投入して資金繰りを回していたけど、企業規模も大きくなりそれも限界に達したため、金融機関からの資金調達を考えている。しかし、税金を滞納しているため思うように資金調達ができないのです。

何とか自分でいろいろやってみたけど、どうしようもできなくなってしまい、当社に相談に来られた時には、給料や仕入の支払いがあと数日まで迫っているケースもありました。

赤字や借入過多の場合は、返済能力がないと見なされてしまいます。税金滞納がある場合は、プロパー融資は難しいでしょう。信用保証協会はそれだけで保証を否決することはありません。ただ、税務署と分割納付で合意ができていて、かつ早期に解消される状況にあれば保証が出る可能性はあります。しかし、そうでなければ難しいと判断したほうがいいでしょう。

金融機関はかつてのような過去(決算書の数字)だけではなく、今後の事業の見通し(未来)をしっかりと見て対応することが求められているのですが、残念ながらなかなかそうした動きは少ないようです。

金融機関への返済をストップすることで資金の流出を防ぐことはできますが、すぐにまとまった資金を調達することはできません。

金融機関がダメなら例えば次のような資金調達先が考えられます。

・経営者自身や身内・知人
・ノンバンク
・ファクタリング

経営者が自らの資金を投入するのはいいでしょうが、返済原資がしっかりしていなければ身内や知人からの借入は避けるべきでしょう。今後の付き合いにも影響してしまいますから。

ノンバンクも短期間に返済できる入金があるのならいいですが、金利も高いですから赤字穴埋めのために借り入れることは極力避けましょう。

ファクタリンはノンバンク以上に手数料が高く、よほどのことがない限り手を出すべきではありません。

取引金融機関からいい返事がもらえない場合ですが、ぜひ一度は日本政策金融公庫(以下、公庫)にも行ってみてください。

当社の顧問先でも、メイン行からはっきりと融資を断られたのですが、公庫に相談したら融資が出たケースが最近いくつかあります。

もちろんすべての案件で融資が出たわけではありませんが、民間金融機関より企業の将来性をしっかりと審査して回答してくれるため、現状では経営が悪くても、その原因と改善策、今後の見通しから前向きに相談に乗ってもらえることが本当に多いのです。

したがって、普段利用している民間金融機関からいい返事がもらえない場合、ぜひ一度は公庫への相談も考えてみてください。