同じ人に接する回数が増えるほど、次第にその人に対して好印象を持つようになる心理現象は何と言うのかネットで検索してみたら、ザイオンス効果(または、単純接触効果)というのだそうです。
私だけでなくみなさんもその言葉は知らなくても、何となくそういうのは感じていることでしょう。
月に一度だけ会う人よりも、毎日10分でも会っている人に好印象を持つ傾向があると思います。
ですから、接触頻度が少なるなるほど逆に好感も薄れることになります。経営者なら取引したい相手には、この効果を狙って接触回数を増やす努力をされている方もいるでしょう。
これって金融機関とのお付き合いにも使えると思います。
金融機関との接触頻度を高める
決算内容が良いと金融機関の評価も良くなりますし、経営者も担当者と接触しようとするでしょう。しかし、業績が悪くなると金融機関を避ける経営者がいます。それでは接触の頻度が落ちますからマイナスに作用してしまいます。
業績が悪いからこそ、余計に担当者と会うようにして欲しいのです。
赤字決算が続いている、資金繰りが苦しいので返済額を軽減したいとなると、担当者の対応も前向きでなかったり、ちょっと厳しいことも言われたりするかもしれません。
それでもあえて、こっちからどんどん担当者に接触していくのです。そうなると銀行員も人の子です。「しょうがないな。何とか力になるか。」という気持ちになってくれることも多いのです。
普段は厳しい事をいってくるので「嫌な担当者だな」と思っていたけど、こっちから近づいていくと結構良い人だったということはよくあります。
自社をよく知ってもらうのにも有効
3月決算で5月に申告される会社さんは、決算書を受け取ったらすぐ担当者に会って渡しましょう。「うちには決まった担当者がいない」という会社さんは、取引店に持っていき融資課の担当者と会ういい機会です。
金融機関は意外と皆さんの会社のことを理解していません。やや規模の大きい金融機関は特にそうです。「大きい」、「優良」、逆に「問題あり」の会社でしたら理解されているでしょうが、そうでないと「〇〇業」という事ぐらいしか覚えられていないこともあります。
したがって、ザイオンス効果に関係なく、自社のことをよく知ってもらうためにも、何か理由を付けて接触するようにしてください。
金融機関が皆さんの会社に「借りてください」とお願いしてくるのならいいのですが、皆さんの方から融資して欲しいとお願いするのでしたら、困った時だけ訪問するのではなく、「資金繰りでお困りではありませんか?」と声をかけてもらえるような付き合い方がいいのです。