売上計画は保守的に

中小企業経営

・目標を立てて経営していきたい
・リスケジュールするのに経営改善計画書を提出しなければならない
・最近業績が悪化しているので経営改善を進め、金融機関からの評価を受けたい

こんな理由から経営計画書を作成する企業は少しずつですが増えているように思います。実際、無料相談でも意欲的に取り組みたいとのお話があります。

経営計画作成の注意点

自社の経営改善のために計画書を作成する場合、社内の経営管理のために作成している企業の計画書を拝見すると、根拠のあるかつ実現可能性の高い数値計画になっていることが多いです。しかし、金融機関向けに作っている計画書を見ると、担当者を意識しすぎて実現可能性が疑わしい数字になっていることがあります。

計画書を作るというと、以前は3年以内には黒字企業に、実質的な債務超過を5年から10年程度以内で解消する、債務償還根年数を10年から20年以内に収まるように、だいたいこんな感じの基準がありました。

そんな基準に何とか収めたいからと、無理やりそれに合わせるための売上増加によって達成しようとする、根拠があるのならもちろんかまいませんが、どう考えても無理だろうという内容を非常に多く見受けます。

金融機関は書類チェックのプロ

業界が右肩下がりで、しかも同業他社と比べ大きく差別化できるものがないのに、売上が急激に右肩上がりの予想を立てれば誰でもおかしいと分かるでしょう。しかも金融機関は計画作成については素人でも、計画内容のチェックについては長けていると思ったほうがいいです。

金融機関から「この売上増加の根拠を説明してください」と言われて答えられない、または「根性で頑張ります」では同意を得られません。

仮にそんな計画内容でも評価を得られたとしても、その後の実績と計画の乖離が出てきたときには、厳しい追及を受けるかもしれません。特に計画初年度から大きく違えば、再生の可能性は低く、支援継続に値しない企業と判断されかねません。

したがって、専門家に「金融機関受けの良い数字で作ってくださいよ」などと依頼してくる経営者がいますけど、自社の立場を一層苦しめることになるのです。ぜひ注意してください。

実現可能性の高い計画書を作る

債務超過解消や債務償還が何年かかるかという考え自体はこれからも存在しますし、大切な考え方ではあります。最近はEBITDA有利子負債倍率という財務指標が重視されています。

しかし、「〇年以内に解消しろ」「〇年以内に返済できなければならない」という基準を意識して作成しても何の意味もありません。

そのような基準に縛られないで計画書を作成してください。

しかし、そうはいっても売上増加をしないと返済が進まない中小企業も多いです。その場合は複数の数値計画を作成してもいいでしょう。

まずは保守的に実現可能な計画を作成し、もう一つは多少希望的な数字になるかもしれませんが売上増加の施策がある程度結果を出した計画書も準備するといいと思います。金融機関もいくつかのケースを評価することができます。

完璧な計画書はありません。計画に基づいて経営をしていくうちに、計画を見直していくのは間違いではありません。

金融機関に求められる前から作成

そもそも経営計画書は、金融機関に提出を求められてから作成する書類ではありません。自社の経営課題を抽出し、それに対する改善策を社内で考え、その結果としてどのような数値計画になっていくのかをまとめるのが目的です。

・言われて作る⇒金融機関を意識した内容(実現可能性が低い)

・言われる前から作る⇒自社の経営のために考えた内容(実現可能性が高い)

このようになりがちですから、複数年の数値計画が難しいとしても、期のスタートに今期の改善策や数値計画を提出し、3か月に1回でもいいから進捗状況を報告する付き合い方をしていきましょう。

当社では経営計画の作成やその後の金融機関への報告をサポートするサービスを行っています。関心をお持ちの経営者さんはぜひサービス内容をご覧ください。