融資しやすい決算書をお願いします

昨年からお手伝いしている顧問先は2期連続で大赤字だったのですが、今期は売上も安定して少しだけ黒字の見通しにまで回復。

事業が急拡大していることから、正常運転資金の必要額は増加し、多額の設備投資も必要と資金需要は非常に旺盛なときです。そして、「そろそろ資金調達したいな」と思っていたところ、取引銀行の方から「追加で資金調達しておきませんか」と営業に来られました。

私の方で毎月作成している試算表を顧問先に手渡していたのですが、金融機関の担当者がそれを訪問のたびにチェックしていたようです。

その時、融資課長から言われたのがタイトルに書いた「融資しやすい決算書をお願いします」でした。

金融機関担当者が融資をしたいと考えると、このように「審査が進みやすいように黒字にしてください」とお願いしてくることがあります。

本来は数字を調整することは良いこととはいえません。しかし、金融機関から提案しているのですし、少額であれば問題になることもありませんから、どこの企業もそのような場合は提案を受け入れるでしょう。

しかし、金融機関の行職員がみなさん良い人ばかりとは限りません。大がかりな粉飾を要求する人もいるからです。

例えば、貸借対照表の資産の部に計上されている貸付金を他の科目にして欲しいとか、年商数億円の企業なのに数千万円もの利益調整をさせる、そんな行職員もいるのです。

以前相談を受けた企業は、確かにそのおかげで金融機関からは資金調達ができました。しかし、他の取引金融機関からは「決算書の数字がおかしい」との疑いを持たれてしまい、結果として支援を受けられなくなってしまったということがありました。

この顧問先の件は、減価償却費を限度額まで計上するとやや赤字になるかもしれないのですが、営業キャッシュフローは大幅なプラスです。しかし、融資課長さんとしては損益計算書も3期目ですしそろそろプラスにして欲しいということでしょう。

自身のノルマと企業の資金繰り支援、その両方を目的として営業しているわけですが、ほんの一部の行職員は自身のノルマしか考えていない者もいるのです。度が過ぎた利益調整というか粉飾決算の提案には注意してください。

決算書がすべてという考えの金融機関はまだまだ存在しますし、そっちの方が多いでしょうか。特に地元の大手地方銀行はそういう金融機関が多いように思います。

試算表はできるだけ最新のものをいつでも提出できるようにしてください。どの金融機関に行っても「試算表を持ってきてください」と言われますから。

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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