銀行融資

銀行員にはショックな期日前の一括返済

2021-10-13

4年前のことだそうですけど、いまだにこんな銀行員がいるんですね。

10月13日NHK「顧客に大声や机たたく 銀行元支店長に賠償命令」

4年前、融資の一括返済を申し入れ、別の融資について利息の引下げを求めたところ、「当時の支店長からどう喝された」という内容です。

当社の顧問先でもやはり4年ぐらい前、栃木県の地方銀行に事業計画書を持って行ったら、支店長が「こんな計画、達成できるわけないだろ。いいか、信用保証協会がOKしても、俺はハンコ押さないからな」と怒鳴られました。

地方銀行の支店長ですから、地元では影響力ありますからね。ちょっと勘違いしてしまう方もいるのでしょう。

どう喝はよくありませんけど、この一括返済、銀行員の立場で考えるとかなりショックです。大声を出したり机をたたくことはさすがにしませんが、場合によっては今後の取引に影響することがあるかもしれません。

企業の担当者は上司から「社長から返済の件について事前に相談はなかったのか」「ちゃんと管理していたのか」と注意を受けます。

預金や融資残高を管理しているので、予定が狂う一括返済は支店の業績にも影響しますし。だから最近は繰り上げで返済する場合、手数料を求められることが一般的です。

別に銀行員に気を遣って経営する必要なんてありませんけど、担当者のことが気になるやさしい経営者さんは、事前に相談してあげたほうが担当者のダメージは少ないと思います。

今後も業績が好調かつ資金繰りにもまったく問題がないのでしたら、期日前に一括返済してもいいでしょう。しかし、ちょっと余裕が出た程度で、利息支払いがもったいないとの理由で返済するのはよく考えてからにしましょう。

例えば5年間の毎月返済が条件であれば、企業は5年間で少しずつ返済すればいいという権利を持っています。それを期限の利益といいます。資金繰りのためにも。わざわざ企業がそれを失うことをする必要はありません。

しばらくして資金繰り悪化が予想されるなら、そのままにしておいたほうがいいでしょう。確かに無駄な利息は発生しますが、また新たに融資を受けるための手間、そして次も必ず融資をしてくれるとは限らないリスクを考えれば、それほど大きな負担ではないはずです。

昨年のコロナ融資は楽勝なイメージがあるでしょうが、今はそんな甘いものではありません。業績回復が進んでいる(あるいは、これから間違いなく進む)企業には極めて前向きで変化はありませんが、そこから外れる企業は注意したほうがいいですね。

別に銀行員の肩を持つつもりはありませんが、期日前に一括返済するのは自社の資金繰りのためにも慎重に考え判断してください。そして、これからも長い付き合いになるのでしょうから、担当者と上手く付き合っていくためにも、できれば事前に経営者の考えを伝えるようにしましょう。

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代表 瀬野正博

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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