手書きで経理作業

経理業務

私が税理士事務所に勤めていた1999年(平成11年)から2003年(平成15年)頃は、まだすべて手書きで経理作業をしている中小企業は結構ありました。会計ソフトが使えない以前に、そもそもパソコンがない顧問先もありましたから。

会計ソフトへの入力作業は税理士事務所または記帳代行会社の仕事でした。

それから20年が経ちました。会計ソフトへの入力作業を企業側が行っていることが本当に増えたし、私もいくつかの会計ソフト使いましたけど、一部を除いて使いやすいものが多いのも理由でしょう。

やりやすい方法でかまわない

 しかし、今はどこでも会計ソフトを使っているかと思えば、すべて手作業で行っている企業もあります。小規模企業で、売上先や仕入・外注先がそれほどの数ではなく、毎月発生する経費もそんなにない場合は、エクセルで管理しているのをよく見ます。

業歴の長い企業に伺うと時々見かけるのですが、手書きで振替伝票や帳簿に記入していることもあります。社長の奥さんやご家族が昔教わったやり方をそのまま続けているのです。顧問税理士もかなり高齢で、手書きのほうが慣れているみたいです。

もちろん自分たちが作業しやすく、決算書作成や正しい申告納税に問題がなければそれでかまいません。古いやり方だからすべて悪いというわけでは決してありません。

デメリットもある

 これまでのやり方で特に不都合なことがなければ、それで構わないと思います。それに会計ソフトは保守料や利用料が年間にすれば数万円はかかりますから、小規模企業では負担になるかもしれません。

ただ、次のようなデメリットがあるかと思います。

自社の経営を把握できない

手作業の場合、日々の作業面では効率が悪いと思いますし、どうしても試算表の作成に時間がかかってしまいます。自社の経営状況を数字で把握することができません。それでは問題が起こっていたとしても対応が遅れてしまいます。それに決算が近くなっても決算予想ができず、節税対策を講じたくてもできない可能性があります。

銀行融資への影響

融資面でも問題があるでしょう。一番多いのは最新の試算表を求められても、すぐに応じることができないことです。

融資影響を受ける立場であれば、多少前の試算表でかまわないと言われるでしょうが、こちらがお願いする立場であれば、最新の試算表を提出するまで審査がストップするかもしれません。

資金繰りが厳しい状況であれば、それは絶対に避けなければならないでしょう。

売掛金管理

売掛金管理がずさんになっていないでしょうか。手書きでやっているので、計算や記入ミスがあってもそのまま続けてしまっているのです。販売先が数社程度ならいいですけど、卸売業のような業種では売上先数は多数あるでしょうから、会計ソフトを使った方が管理はしやすいかと思います。

もしまだ手書きなら

全国にはそういう中小企業はまだあるのかなと思います。

小規模企業でそれほど経理事務が少ないのであれば特に問題ないでしょう。しかし、導入したほうが経理に要する時間を大幅に削減できますから、もし手書きでやっている企業は会計ソフトの導入を検討してみませんか。

これからは会計ソフトを使って効率よく作業したい経営者さん、あるいは、社長を引き継いだばかりの若手経営者さんで「これまですべて手書きの経理だったが、自分が代表になったのを契機に会計ソフトを導入したい」とお考えでしたら当社はお役に立てます。

また、東京都と神奈川県に提携税理士がおりますので税務面も問題ありません。