4月下旬に、フリマアプリ「メルカリ」で大量の領収書が出品されていたそうですね。
切手等を収集するのが趣味という人はいますけど、普通に考えてお金を出して領収書を収集する趣味というのは聞いた事がないし、おそらくそんな人いないと思います。
この出品はすでに削除されていますが、買ったり、もらったりして経費として計上するのは節税とはいえません。やはり架空経費を計上することになるのですから脱税となるでしょう。詳しくは顧問税理士に聞いてください。
・経営が順調で、いくら節税対策をしてもかなりの税額が発生してしまう
・申告が近くなったので、決算書予想をしてみたら予想外に税額が多かった
こんな時に会社や自宅にある領収書で使えるものはないかとかき集めているときに、領収書の出品があったら興味を持ってしまう経営者はいるかもしれません。
これは、出品した人が実際に買い物や食事等をして手に入れた本物の領収書なのでしょうから、仮に出品した人が事業を行っており、その事業のために使ったのであれば経費として計上するには問題ありません。それを買った人が使った場合に問題となるのです。
しかし、世の中には偽領収書というものが存在しますし、販売する業者があります。
15年以上前の話ですけど、偽領収書を見たことがあります。
一時期付き合っていた会社(すでに廃業しています)の社長が節税(脱税)と、膨れ上がった現金残高を消したいからと買っていました。ちなみに、領収書に書かれた金額の5%を手数料として支払うとのことでした。
金額が1,000万円だとしたら50万円を支払うわけですが、法人税や地方税を合わせて30%から40%程度と考えると、それでも安いという事にはなります。
その会社さんは仕入先や外注先への支払はほとんど振り込みなのに、現金で外注先への支払は明らかにおかしいですから、「やめたほうがいいですよ」と何度も申し上げたのですが、聞き入れてもらえませんでした。残念ながらそこでお付き合いをやめました。
昔は架空の会社名もあったようですが、発覚を防ぐために実在する会社や取引先で倒産した会社名を使って領収書を偽造することもあったようです。
最近は領収書の会社名をネットで検索すれば、存在する会社かどうかすぐに分かりますし、法人番号の検索サイトでも分かってしまいますから、架空の会社名はないのかもしれませんけど。
よく脱税したと自慢している経営者が皆さんの周りにもいませんか。そういう話に影響されて、自分も同じようにやりたいと考える経営者さんはいると思います。でも、本当にこういうことはやめたほうがいいですよ。
出品された領収書や架空領収書を買うようなことに対しては、税務署もかなり厳しい対応をしてきますから。
多額の納税額を減らすような経費を入れてしまったら、自社の過去の利益率と大きな差が出てしまいますし、同業他社と比較してもおかしいと疑われやすいでしょう。
発覚した時のペナルティーが大きすぎますから、ぜひ手を出さないようにしてください。