コロナの感染拡大が原因で厳しい業種としていくつか挙げるとしたら、飲食業、宿泊業、アパレル業があります。
コロナ融資で信用保証協会や政府系金融機関には申し込みが殺到しました。おかげでかなり多額の資金調達ができた上に、1年以上の据置期間で資金繰りが楽になった中小企業は少なくありません。
とはいっても資金調達ができなかった企業もありました。それに返済据置期間中そして終了後でも毎月の資金繰りがマイナスのため、知り合いの銀行員からはリスケジュール依頼が増加していると聞きます。
金融機関からの支援が得られなければ、ノンバンクやファクタリングを考える経営者もいます。ただ、それも無理であったり、やや高い利息や手数料がネックになったりで、利用を控えるケースが多いでしょう。
親しい方からの資金調達は慎重に
それでも何とか資金調達方法を考えていった結果、友人や親戚しか残っていないかもしれません。
私も長く経営者のサポートをしてきたからいろいろ見てきましたけど、銀行やノンバンクまでならまだしも、友達や親戚からも借りていることがあります。
借りてもいいんです。それが前向きな資金使途でかつ返済原資が明確であれば。親戚から借りた資金で商品や原材料を仕入れて、販売回収した資金で返済するならいいんです。あるいはほんの一時的な資金ショートを補填しすぐに返済できるのでしたら。
しかし、ほとんどが赤字の穴埋め、金融機関への返済資金に使われるでしょう。私の経験上、ほぼ100%そうです。
もし経営者のみなさんがこれから(あるいは将来)親戚または友人からお金を借りようとしているのなら、何に使うのか、返済できるあてがあるのか、書類を準備してしっかり説明できますか。それができない、「後で必ず返すから」しか言えないようであれば親しい人の世話になるべきではありません。
不幸にして倒産となってしまったら、金融機関には申し訳ないけど、多少迷惑をかけても大して問題ではありません。それよりも今後の生活のためにも親しい人に迷惑をかけるのは避けましょう。
貸す場合はよく考えて
経営者をしている親戚あるいは友人からお金を貸して欲しいと言われたら、みなさんどうしますか。
「返済してもらえそうもないが、けれども断るわけにはいかない」と感じるなら、せめて借用書ぐらいは書いてもらいましょう。貸し借りを明確にするためにも。それと振り込みにしましょう。記録を残すためです。
それとなぜお金が必要になったのか、どうやって返済するのか、それはいつなのか、口頭での説明だけで信用してはいけません。必ず書類も見せてもらいながら説明を受けましょう。