資金繰り悪化でもやってはいけないこと

資金繰り

資金繰りが厳しくなってきたとき、対応策を誤るとより苦しくなるどころか、倒産を選択せざるを得なくなります。資金繰りがピンチだと経営者は精神的に辛いと思いますが、そんな時にやってはいけない事があります。

資金繰り悪化でもやってはいけないこと

1,高金利の融資等利用は慎重に

高金利の融資に手を出すと楽なのは一時的で、後々資金繰りが苦しくなります。前向きな資金需要で早期の返済が可能ならまだしも、赤字補填や金融機関への返済資金として利用するのは避けましょう。返済資金として高金利で資金調達するぐらいなら、リスケジュールした方がましです。

最近はファクタリングの利用が急増しています。地方銀行が大手ファクタリング会社を紹介するケースもあり、徐々に中小企業の資金調達手段として認知されてきました。

ファクタリングとは、企業が保有する売掛金をファクタリング会社に売却することで現金化できるサービスです。早期に資金化ができるので、資金繰りに悩む経営者には非常に魅力的でしょう。

ファクタリングは売掛金の売買契約ですから融資のように金利はかかりませんが、買取手数料が発生します。それが数%の業者あれば10%以上の業者もいます。

たとえ数%でも年利に換算すればかなり高額になります、ましてや10%以上となれば、せっかく獲得した利益の大部分を失うことになりますから利用は慎重にしましょう。高額な手数料を要求する業者もいますので注意してください。ご相談下さればファクタリング会社をご紹介できます。

2,返済を頑張りすぎない

多くの経営者はまじめで、仕入先や給料の支払いはもちろんのこと、金融機関への返済も遅れてはならないと考えます。約束通りに支払う、返済するのは当たり前のことではありますが、それに縛られ過ぎるのは資金繰り悪化につながります。

給料や取引先への支払いを後回しにすれば退職者や取引解消が増加しますし、業界内での悪いうわさが広まり信用不安が発生します。したがって、給料と仕入先が支払順位1位になります。

資金繰りに余裕がない時は、限られた資金をどのように支払い・返済に回すか優先順を付けなればなりません。そんな時は金融機関には申し訳ないけど返済は一番後になります。

「資金繰りが好転したら返済を頑張ればいいや」と頭を切り替えましょう。ノンバンクや知人等から借りてまで返済しようとする経営者さん、それは絶対にやめましょう。

3,金融機関への相談を後回し

資金繰りが苦しいこと金融機関に話せますか。多くの経営者はできれば隠したいと思うでしょう。

しかし、決算書や試算表を見れば分かりますし、口座の動きや残高からも資金繰り状況は明らかになります。

だったら、隠さずオープンにした方がいいと思います。

金融機関は経営実態を見て、どうやっても融資が無理との回答なら直ちにリスケジュールに移行できますし、資金繰り悪化がまだ軽いうちは融資を提案してくれることもあります。

リスケジュール中でもそうです。リスケジュール中でも、短期融資を提案してくれるケースはあります。

金融機関も(できれば早めに)相談してくれれば、いくつもの提案ができると思っています。融資先に倒産して欲しいなんて思っていませんから、隠さず早めに情報をオープンにした方がお互いにメリットがあります。

金融機関の協力を得るためにも、ぜひ資金繰り表を作成しましょう。過去3か月程度の実績と今後半年程度、将来の予測が難しい場合でも3か月程度先の見通しが分かるようにしてください。資金繰り表の作成が面倒に感じる経営者は多いですが、金融機関との交渉においては非常に重要です。

資金繰り悪化への対応を後回しにしない

資金繰りの悪化は突然発生するわけではありません。業績悪化によって赤字経営が続き資金が減少してきた、あるいは返済が負担になっている等の資金繰り悪化原因はすでにあったはずです。

それでも「このままではまずいことになりそうだ」と感じつづ、今まで通りに経営をしている経営者が多いのでは。それでは事態が大きくなってから行動するわけですから、選択肢は限られることになります。早めに行動すれば、銀行融資で資金調達できたものが、ファクタリングやノンバンクに頼ったり、税金や社会保険料等の支払いを滞納したりすることになりかねません。

それに早い方が簡単に解決するのに、遅れると難易度が上昇します。対応を後回しにすることはやめましょう。