資金繰り

深刻な資金繰り相談が増加

2021-12-03

毎年11月は私が役員をしている企業の決算申告があります。それがかなり規模の大きい企業なので11月は忙しくブログが全く更新できませんでした。

更新できなかったもう一つの理由は、11月に入ったあたりから深刻なご相談が増えたからです。例えば、金融機関への返済をストップしてもらっているが、それでも資金繰りが苦しくファクタリングを利用、さらに仕入先への支払いも滞っているといった内容です。

1,コロナ倒産はまだ増えるでしょう

帝国データバンクのコロナ関連倒産の月別発生件数推移によると昨年よりも明らかに増加していますね。新型コロナウイルス関連倒産の月別発生件数推移2021年11月まで

倒産には至っていないものの、かなりそれに近いぐらい経営が悪化している中小企業は確実に増加しているでしょう。

経済活動は正常に戻りつつありますが、収益力の回復が遅れている、あるいは借入金が過大になっている中小企業は多いですから、倒産はまだ増加するように思います。

2,据置期間中は正常な状態ではない

今日訪問した顧問先は、コロナ融資で資金調達を行って今は3年間据置期間中です。しかもほとんどの借入金がそうであるため、リスケジュール中のような資金繰りです。みなさんの中にもそういう状態の企業があるかもしれませんが、注意して欲しいのはいずれ返済がスタートするということ。

「そんなの分かっている」とおっしゃるかもしれません。それならいいのですが、分かっていないというか、忘れているのかな?と思ってしまう経営者がいるのです。

据置期間がなく返済をしていたとしたら資金繰りはどうだったでしょうか。かなり厳しいあるいは資金ショートしていたのではないでしょうか。据置期間は経営者が資金繰りの悩みから離れ、経営改善に集中し収益力を回復させるためにあります。「返済がない分、資金繰りが楽で少し落ち着ける」とのんびりする期間ではないのですが、気が緩んでしまい経営改善が進まず、返済が始まったらどうなってしまうのだろう?と不安になる企業は結構あります。

あと最近、コロナ融資で借入れて資金に多少余裕がある企業に、金融商品を購入させようとする金融機関がいるようですが、そういう話に乗ってはダメです。調達した資金は事業のために使ってください。

資金繰り表作成

3,中小企業の資金繰りを支援する姿勢は変わらないけど

国は中小企業の年末・年度末の資金繰り支援を金融業界に要請しています。経済産業省は、厳しい資金繰り状況に置かれている事業者がいること、年末・年度末に向けて運転資金等の需要が高まることを踏まえ、関係機関に対し中小企業の金融円滑化について支援を要請しました。内容は以下のとおりです。

  • 資金需要の高まる年末を迎えることを踏まえ、改めて、事業者のニーズに応じたきめ細かな支援を引き続き徹底すること
  • 事業者の現下の決算状況・借入状況や条件変更の有無等の事象のみで機械的・硬直的に判断せず、事業の特性、需要の回復や「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に盛り込まれた各種支援施策の実施見込み等も踏まえ、丁寧かつ親身に対応すること
  • 返済期間・据置期間の長期の延長等を積極的に提案するなど、既往債務の条件変更や借換等について、事業者の実情に応じた迅速かつ柔軟な対応を継続すること
  • メイン・非メイン先の別や、既存顧客・新規顧客の別、プロパー融資・保証協会保証付き融資の別にかかわらず、能動的に本業支援を行うなど、継続的な伴走支援に努めること

詳しくは『「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を踏まえた事業者支援の徹底等について要請しました』をご覧ください。

「年末や年度末は資金需要が増加するからきめ細かな支援をお願いします」「最近の決算書や借入状況や条件変更(リスケジュール)の有無等だけをもって判断しないように」等と書かれています。確かにその通りに金融機関が対応してくれたらいいのですが、現実的にはそうならないことが多い。この要請に拘束力はないですし。

ただ金融機関からすれば、コロナ影響から立ち直り前向きな資金需要が発生したら、要請通りに過去の経営結果を重視せず、将来性を評価して支援に応じることも考えられます。しかし、コロナで赤字が続いているので何とかして欲しいだけでは、「昨年はコロナ感染拡大が進んで業績が大きく悪化したのは仕方がないだろう。だけどもうそろそろコロナ禍でも生き残れるような経営をしてもらわないと。それなのにいつまでもコロナで経営が苦しいでは、経営者として経営改善をしてこなかったのだろうか」と厳しいけどそう考えます。経営者には言わないかもしれませんが。

したがって、これからも金融機関から「借りてください」と言われたければ、今の事業内容を改める等の行動を起こす必要があります。

国の支援策はいつまでも続きません。コロナウイルスは現時点では落ち着いてきましたから、それが継続されると仮定すれば徐々に収束に向かっていきます。そうなれば支援すべき企業かどうかの選別が進んでいくでしょう。

4,経営上の病気は早期に治療しましょう

仕入先への支払いが困難になってきた、または税金・社会保険料が滞納しそうになってきたら、それは非常事態ですから抜本的な経営改善が必要です。そして金融機関の態度が冷たくなってきたらリスケジュールをしてもらいましょう。

最近ご連絡をくださる経営者さんのほとんどは末期的な経営状態でしたが、このブログを読んでくださっている経営者さんは少しでも症状が軽いうちに経営を立て直すようにしてください。

末期がんになってしまったら治すにはかなり困難でしょう。しかし、日頃から健康にいい生活をして定期的に健康診断を受けていれば、がんにはなりにくいし、仮になってしまったとしても早期に対応ができます。経営もそれと一緒です。

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代表 瀬野正博

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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