利益計上と資金繰り改善はできる

中小企業経営

経営者が関心を持っていることは、利益を出すこと、そして資金繰りの安定ではないでしょうか。

「利益を出すと税務調査が増えそうだからと、役員報酬を多く取るようにして赤字にする」と考える経営者もいるでしょうが、自社の利益と経営者の役員報酬を合わせて考えれば、当然少しでも多くしたいと考えているはずです。

利益を増やすためには、販売個数を増やす、売上単価を引き上げる、仕入価格を引き下げる、経費を下げる、ことが必要です。

そして、資金繰りを安定させるには、利益を出す、代金の回収を早くする、支払いを遅く、在庫を減らす、ことになります。

これらは当たり前のことではあるけど、実行しようとなると簡単ではないことが多いでしょう。回収を早く、支払いを遅くすれば、自社の信用不安に発展することが懸念されますし、売上単価を引き上げれば顧客は他社に流れ、販売個数を大きく減らすかもしれません。

どの企業でも利益計上と資金繰り改善はできる

「余計なことをして今以上に経営を悪化させたくない」とか「どうせやっても無駄」等と考えて、改善することをあきらめてしまう経営者がいます。

経営を改善し今以上の利益を出す(赤字を黒字に転換する)、資金繰りを安定させていくには、当然ですがこれまでの経営を見直していかなければなりません。業績の悪い企業は「失敗したらどうしようと」リスクを恐れて動かないことが多いと思います。

当社の顧問先A社は大手企業の商品・サービスの広告サイトを制作していました。大手企業が取引先でしたが、今後は売上が減少し続けるだろうと予想し、別のあるサービスを提供し始めました。そのサービスは大手企業からの需要はあるのに、提供している企業が少ないことに気づき、今では大きな売り上げを確保しています。資金繰り面でも今までは1~3か月程度先の入金だったものが、今ではすべて1か月以内に入金されています。

B社はリフォーム工事業をメインにしています。技術力には定評があり多くの案件を取り扱っていますが、あるリフォーム工事が今までよりも簡単に効率よく作業ができる方法を考え出したのです。それが大手企業にも認めてもらえ共同して取り扱うことになりました。元々、業績は良かったのですが、さらに成長拡大が期待されます。

C社は印刷業だったのですが、価格競争が激しく赤字経営が続いていました。そこで印刷業は徐々に縮小し、チラシ等の紙の広告だけでなく、ネットでの広告宣伝の支援に力を入れ、赤字解消を達成しました。

この3社が特殊な能力を持っていたわけではありません。今のお客様に別のサービスを提供できないだろうか、もっと効率よく作業できないだろうか、と考えたことを実行しただけです。

他の当社顧問先でも同じように経営改善を行っています。

中小企業は経営者が本気になると強い

「日本の景気は良いというけど、中小企業には関係ない」と不満を口にする経営者はいます。確かにそうかもしれませんが、そんな環境の中でも生き残るために頑張っている中小企業はありますし、そういう企業が生き残っています。

今まで通りの経営をしていているだけでは、いずれライバルとの競争に陥り、経営が悪化していくのを待つだけです。経営資源がまだあるうちに経営改善を進めれば、利益計上や資金繰り改善に成功し成長していく可能性は高いのです。

当社の顧問先様も1社を除いて経営改善で結果を出しています。中小企業は経営者の存在が大きいですから、経営者が本気になって動くとプラスの結果をもたらしやすいものです。利益計上や資金繰り安定でお悩みでしたら、ぜひ一日も早く経営者が本気になって行動してみてください。