リスケジュールをしている企業は、多くが経営改善計画書を作成して、銀行に提出をしていると思います。計画書の中には簡易なものもあるでしょうし、銀行担当者が作ってくれたということもあるでしょうが、どんなものであれ5年程度の計画となっているはずです。
しかし、計画書を作成してからたった1年でも状況は変化している事が多いですし、計画内容を更新したいと考える経営者は多いのではないでしょうか。
大きな変化があれば計画の見直しを
大企業でさえ、為替や株価等の変化が影響して、四半期の報告時に業績の修正を発表することはよくあります。
中小企業でしたらなおさら外部環境によって業績は左右されやすくなります。取引先1社の増減だけでも大きく影響することがあるでしょう。
最近、「仕事はあるのだけれど、採用募集をかけても応募がないため対応できず、売上増加ができない」「人件費や材料費の値上げにより利益が減少している」という悩みをよく聞きます。
そのような変化に対応する施策も変わってきます。したがって、以前作成した業績予想の数値に縛られないほうがいいのです。
決算時が見直すタイミング
計画書の内容を見直すタイミングですが、一番良いのは決算書が出来上がった頃でしょう。
当初作成した計画を達成することもあるでしょうし、逆に未達になる事もあります。直近期の実績値と計画書内の計画値との乖離を見直し、未達になってしまったとしても、作成当初と現在では何が変わったのかの原因について究明するようにします。
そこから改善策を再度策定し、今後1年間の見通しを踏まえ数値計画を再度作成します。
それに、計画未達であれば、当初計画のキャシュフローが悪化し、返済計画通りに返済できないでしょうから、数値計画の見直しは必要なのです。
取引銀行からの評価
再度作成された経営改善計画書について、銀行担当者の中には嫌な反応を示す方がいます。上方修正ならいいのですが、当初の計画よりも下方修正なら、返済計画も悪化しているでしょうから、支店長や本部に稟議を上げて承認を取るのに面倒かもしれませんし。
再度作成した計画書の内容がかなりの下方修正なら、マイナス評価になってしまう可能性はあります。しかし、自社を取り巻く環境の変化に対応して、新たな改善策を考えて数値計画を出しているわけですから、できもしない計画書を提出するより評価は良いのです。
ちなみに、当社のお客様でも下方修正の計画書を再提出していますが、継続支援を受けられているところばかりです。
古い数字ではなく、新しい数字で銀行と対話をしていく事が経営改善につながりますし、銀行からも信頼を得られます。そして、結果的には自社を守ることにつながるのです。