公私混同

中小企業は経営者が代表取締役かつ大株主でもあるケースが大半です。株を100%保有しているのも珍しくないし、他にも株主がいたとしても家族が保有しているので、経営に口を出す人がいません。

顧問税理士や当社みたいな経営コンサルタントも、経営者に嫌われては報酬が得られないと、間違った経営をしていても意見を強く言えない方が多いようです。私みたいに経営者や従業員のためになると思って反対意見を言うと、鬱陶しいのかお付き合いが切れてしまうこともあります。

「この会社は俺のもの」、こういう考えをお持ちの経営者は、部下の意見も聞かないですよね。自身の過去の成功体験から経営をしてしまい、誤った方向に進んでしまうことがよくあります。それに社内の資金を自身のため(趣味、投資、女性など)に使ってしまう、個人的な領収書を交際費などに計上する、高級車を社用車として購入する、当然そんなことをしていれば、自社の資金繰りや銀行融資にも影響します。経営を私物化する行動は従業員には隠してやっていたとしても、従業員は意外と知っていたりするものです。

資金が個人に流れるデメリット以上に、従業員が「俺たちは頑張って結果出しても給料には反映されないのに、社長は好き勝手やっている」と感じてしまい、これからの仕事のモチベーションにもかかわってきます。今は経営が順調であってもそんな気持ちで従業員が日々働いていれば、徐々に数字に表れていきます。

当社が関与している顧問先には、家族以外からも取締役になってもらい、財務データも公開している企業が5社あります。私が顧問先の取締役や監査役になっている企業もあります。そういう企業で悪い経営結果になっているところは不思議とありません。年商以上の借入金残高、税金や社会保険料も滞納していた顧問先も金融機関から融資提案を受けるまでに回復しました。

自社の現状や今後の見通しを計画書としてオープンにすることで、経営者自身も役員報酬に見合った仕事をしているか他の取締役からも厳しい目で見られることになりますし、資金が個人的に流用されていないかどうかチェックされることが、経営に良い結果をもたらします。

公私混同をしていると経営にはデメリットだと思います。昔はそれでもよかったでしょうけど、今はそんなことしていると、より良い職場環境を求めて特に若い人は転職していきます。人手不足にも見舞われさらに経営は悪化していくでしょう。

経営の安定を図るために、自社の株を社長に集中するのは悪いことではありません。ただ、情報を公開し、社内や外部の意見を取り入れて経営していくのが重要だと思います。

企業は経営者だけでなく従業員のものでもあるのです。公私混同な経営はやめるようにしましょう。

銀行や税理士事務所等で勤務した経験を活かし、経営者の右腕・参謀として資金繰りや経営改善、銀行取引についてご支援します。相談できるコンサルタントや専門家がいなければいつでも連絡してください。

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