再生できない会社の共通点

中小企業経営

当社にご相談下さる企業は、「赤字が続いている」または「資金繰りが苦しい」等の問題を抱えています。

面談相談のご依頼を受けてその企業を訪問し、経営者と面談させていただくと、「この会社は再生できないな」と思う共通点があります。それは、すべて他人任せにする経営者の存在です。

以前こんなことがありました。応接室で待っていると決算書を持った経営者が入ってきました。「はじめまして、社長の○○です。これが決算書3期分です。ではあとよろしくお願いします。」と言って出ていこうとしました。

私が一人で企業再生や銀行との対応をやってくれると勘違いしているのです。

でもこういう経営者は少なくないんです。

「ちゃんと報酬は払うのだから全部やってくれ」「経営改善計画書とか書き方よくわからないので、銀行がリスケに応じてくれるようにうまく数字を作っちゃってください。リスケの間に何とか業績回復させますから(とか言って、今まで通りの経営をしている)」等のご依頼です。

悪化した経営を立て直すには経営者も努力や犠牲が伴います。しかし、「役員報酬の減額なんて受け入れたくない(贅沢な生活を続けたい)」「社長の自分が頭を下げて営業するなんて嫌」「銀行に厳しいことを言われるなんてプライドが許さない」「給料や人員を削減すれば社員に恨まれそうだ」、嫌なこと、辛いことから逃げ出したいということなのでしょう。

経営の事で非常に困っているから、専門家に任せたい気持ちはとても良くわかります。しかし、普通に考えれば分かることですが、外部の専門家一人が動いても社内の人が動かなければ何の意味もありあせん。

企業が経営を改善していくためには現場の経営努力は必ず必要です。それには、経営者が先頭に立ってまずは自分自身が辛いこと苦しいことを受け入れて、目標に向かって進んでいかなければなりません。すべて他人に任せで辛いことを避けるような経営者では、まず再生を果たすことは不可能です。それに経営者は役員報酬がそのまま、椅子にふんぞり返って何もしない、けれども従業員には給料や賞与を引き下げる、高いノルマを割り当てる、それでは従業員も頑張ってついて行こうなんて思わないですね。

実際、そういう経営者がいる企業から依頼されてお手伝いをしたことがありますけど、思ったような結果を出せないことばかりでした。

自分の会社が危機的状況にあるというのに、面倒臭いから、嫌だから、よくわからないから等の理由で逃げているようでは、今後の事業継続は期待できないと思っておいたほうがいいです。

逆にうまくいく可能性の高い企業は、経営者が自社の業績に合わせて生活レベルを下げることができますし行動力があります。

偉そうなことを言って申し訳ありませんが、中小企業は経営者が変わると業績も大きく変わることが多いです。そして、自社をもっと良くしていこう、業績を改善していこうと本気の経営者さんが経営判断で悩んだ時、適切な解決方法をアドバイスするのが当社のようなコンサルタント会社です。具体的な支援内容については当社ホームページをご覧ください。

最初に再生できない企業の共通点として「すべて他人任せにする経営者」と書きました。しかし、経営能力が全くない経営者は一部にはいますけど、ほとんどは高い経営能力であったり、営業力や技術力をお持ちの方がほとんどです。

経営悪化が続き自信を失ってしまった経営者もいるでしょう。そんな時は経営トップの変なプライドを捨て、部下、取引先、外部専門家の意見をよく聞いて経営判断を下していきましょう。