決算月

決算書 中小企業経営

当社の会計期間は9月1日から8月31日です。9月に入って急に起業する必要が出てきたので、1年先の8月を決算月にしました。

決算月というのは法人設立の際に決める重要事項の一つです。この決算月は一度決めると、よほどの事がない限りずっとそのままになっているでしょう。

しかし、この決算月を安易に考えない方がいいです。というのも、法人は決算月の2か月後に税金を納める必要がありますから、決算月の2か月後の資金繰りも考えて決定したほうがいいと思うのです。

会計期間は4月~3月が最も多い

会計期間というと、個人事業主の場合は1月1日から12月31日までの1年間となります。翌年の確定申告では1月1日から12月31日で税金を計算する事が求められているからです。

しかし企業の場合、そのような決まりはありません。個人事業主と同じ1月1日から12月31日でもかまいませんし、大手企業のように4月1日から3月31日でも大丈夫です。

さらに、期末(決算日)が月末である必要もありません。2月21日から2月20日の会計期間にすることもできます。1回だけ西日暮里で飲食業を経営されている企業で見たことがあります。まあ、特に理由がなければ月末にした方がいいと思います。

4月から3月は大手企業だけでなく、中小企業でも多い会計期間です。通常2か月後の5月に申告納税をします。決算や申告をすべて社内でやることができればいいのですが、税理士に依頼する場合、税理士が抱える顧問先が多いと十分な対応が期待できない可能性があります。

私が勝手に考えるおすすめの決算月

私が税理士事務所で勤めた経験から申し上げると、2月、4月、5月、7月、8月、9月あたりが決算月としてはいいのかなと思います。それらの月のほうが忙しい税理士事務所の担当者もやさしく対応してくれるかと。しつこいですが、私の経験上申し上げているだけです。企業や税理士事務所によって全く違うケースもあります。

1月決算(3月申告):3月の確定申告があるため後回しにされるかもしれません。
2月決算(4月申告):確定申告が終われば税理士も対応しやすいですし、決算対策も取りやすいでしょう。
3月決算(5月申告):これが一番多いため税理士も忙しいし、ゴールデンウィークもあるし避けたほうがいいです。
4月決算(6月申告):税理士は対応しやすい決算月だと思います。
5月決算(7月申告):この月も4月と一緒で対応しやすいでしょう。
6月決算(8月申告):8月申告は税理士も社長も休みたいでしょうから避けましょう。
7月決算(9月申告):税理士が対応しやすい月でしょう。
8月決算(10月申告):この月もそうだと思います。
9月決算(11月申告):3月決算の次に多い決算月です。しかし11月に申告納税が終わって、12月を迎えることになります。良い決算内容なら年末はおいしいお酒が飲めますし、悪い決算内容ならすぐに来年になって新しい気持ちでスタートを切ることができますから、9月決算もありでしょう。
10月決算(12月申告):年末の申告になるので、資金繰りが忙しいときに納税も発生することや、年末調整もあるので避けたほうが無難です。
11月決算(1月申告):1月に申告となりますから年末年始で忙しいし、年末調整もあるとなると避けた方がいい月でしょう。
12月決算(2月申告):年始が過ぎれば落ち着くため申告にはいいけど、12月中の決算対策は難しいかも。

これに加え、月ごとに業績の変動が大きい業種でしたら、決算対策も考えると落ち着いている時期を決算月にしたほうがいいと思います。

これから法人設立される方は、決算月をいつにするかよく考えてください。なお、決算日は法人が自由に設定できますし、変更もいつでもできます。株主総会の決議、定款変更手続き、そして税務署等への届け出が必要となります。顧問税理士や司法書士に相談するといいでしょう。