誰が中心となって計画書を作るべきか

計画書の作成が誰が中心となって作成すべきか 中小企業経営

計画書といっても、経営計画書、事業計画書等、種類はいくつかあります。当社には経営悪化や資金繰りで悩む中小企業からのご相談が多いので、金融機関へ提出する経営改善計画書作成のご依頼を頂くことが多いです。

増えた計画書作成依頼

計画書なんていうと、中堅から大企業が作成するイメージをお持ちの経営者がいます。しかし、中小企業でも作成すべき資料です。

金融機関からリスケジュール等の支援を受けたいのなら不可欠な書類ですし、金融支援は不要な企業であっても、期首に1年間の目標や行動計画を策定することは大切なことです。

以前なら「作成なんて時間の無駄」「どうせ予定通りにならない」と関心のない方が多かったのですが、最近は計画書作成の重要性を理解した経営者が増えたのでしょう、作成に協力して欲しいとのご相談をよく頂きます。

そもそも経営には必須の書類です。それに金融機関は企業の過去(決算書)だけでなく、将来性(計画書)も重視してきましたから、今後の融資取引においても重要なのです。

計画書作成は誰がするのか

計画書は社内で使用する資料ですから、経営者を中心に社内で作り上げるものです。それをサポートするのがコンサルタントの仕事です。

しかし、すべてを丸投げしようとする経営者がいます。特に金融機関から経営改善計画書の提出を求められている企業です。

私が「私は御社の社長ではありませんし、すべてを代行することはできません」と言うと、「本当に適当でいいし、簡単でいいから、銀行受けしそうな感じでお願いしますよ」とおっしゃいます。

確かに、経営改善計画書のひな形・テンプレートは難しそうなものが多く、何枚もありますし、見るだけで作成する気がなくなってきそうな感じです。また、文章を書くのが苦手という方もいますからそれはよくわかります。

しかし、「適当でいいから銀行受けしそうな計画書」では金融機関も支援しようとは思う内容にはなっていませんし、経営者自身が直接関与していなければ担当者に説明すらできません。金融機関は経営者の説明が欲しいのです。

もし説明に詰まった時、「コンサルタント(あるいは税理士)が作ったからよく分からない」等と言い訳をすれば、金融機関の評価は絶対に受けられません。

そもそも適当に作った計画書では、仮に金融機関の評価は得られたとしても、経営的には何の効果もないでしょう。

だからこそ、計画書は経営者を中心に社内で策定する必要があるのです。コンサルタントの仕事は作成がスムーズに行くようお手伝いすることです。

役割分担

作成の各段階おいて、企業が中心となって作成した方がいい箇所、そしてコンサルタントが中心になって作業を進めた方がいい箇所があります。

例えば、資金繰り悪化を理由にリスケジュールで求められる経営改善計画書を作成するなら、自社の現状や窮境原因を突き止め、それに対する改善策をまとめ、そこから数値計画(予想貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)を作成、そして各金融機関にいつからいくらずつ返済していくのかを説明するため返済計画を作る流れになります。

悪化の原因や改善策は企業を中心に、数値計画は企業だけでは難しいでしょうから、コンサルタントを中心に作成する役割分担がいいでしょう。

当社の支援方法

コンサルタントや士業の中には、計画書作成をすべて引き受ける方がいます。経営者からすればそのような専門家に依頼する方が楽でしょう。しかし、そのことによって経営者は自社に対する危機感や問題意識を持てなくなってしまい、結果として経営改善は遅れることが多いのです。したがって、当社では丸投げのようなご依頼はお断りしています。

計画書を書くのが苦手な経営者さんなら、自身の頭の中にある具体策を教えてくだされば、当社コンサルタントが一緒にまとめます。金融機関の担当者にうまく説明ができない方もいるでしょう。交渉の代行はできませんが、同行して説明の補助を行うことなら可能です。

これまで申し上げたように、経営者を中心に社内で計画書の作成や実行を行い、その支援をコンサルタントにしてもらうようにして下さい。時間と手間はかかりますが経営改善の近道です。もし計画書作成に関して相談できる相手がいない場合は、当社がお役に立てるかもしれません。その時は「無料相談」をご利用ください。

計画書作成後がより大切

計画書は作って終わりではありません。よく完成して満足してしまう方がいますが、それでは意味がありません。むしろ完成後の進捗管理が大切です。

計画と実績をチェック

計画内容に沿って経営し、計画通りに進んでいるのかを管理しましょう。それに必要な書類は試算表です。計画と実績をチェックし、差が出ているようならその原因を追究し、再度改善策を策定し実行する、そして数値計画と実績を比較する、それの繰り返しが大切です。

そのために必要なのは、試算表はすぐに作成することです。できれば毎月20日頃、遅くとも月末までには前月の試算表が完成するのを目標としたいです。早く実績が分かればすぐに問題を見つけ改善を実行に移せます。

金融機関にも説明を

金融機関との付き合いにおいて、特に融資姿勢が厳しい、あるいはリスケジュール中なら、計画書提出とその後の進捗状況の報告をするべきです。もし求められていなかったとしても、自主的に行いましょう。

資金繰りに困った時だけの付き合い方よりも、定期的に自社の経営報告をする方が評価は絶対に良いですから。