クレジットカードの現金化

クレジットカードの現金化 資金繰り

クレジットカードのショッピング枠を利用して現金を手にする方法をご存じでしょうか。「クレジットカードのショッピング枠の現金化」という広告を見たり、話を聞いたりしたことのある方もいるでしょう。「ショッピング枠 現金化」「クレジットカード 現金化」とネットで検索すると、取り扱い業者のホームページが出てきます。最初に結論を申し上げますが、絶対に手を出してはいけませんし、クレジットカード会社もこのような行為を認めてはいません。

クレジットカードのショッピング枠の現金化

クレジットカードには、商品やサービスを購入し、後払いにできる「ショッピング」の機能と、お金を借りることができる「キャッシング」の機能を持っています。そして、それぞれに利用できる金額が設定されています。

この「クレジットカードのショッピング枠の現金化」は、本来、商品やサービスを後払いで購入するために設定されている「ショッピング」枠を、現金を手に入れることを目的に利用することを指します。2つの方法が存在します。

買い取り方式

パソコンやその他、換金性の高い商品をカードで購入させ、業者が手数料を差し引いた金額で買い取ります。

例えば、電化製品を50万円購入します。商品によって異なるでしょうが、それを買取業者に例えば8割程度で買い取ってもらいます。それで40万円を手にすることができます。

キャッシュバック方式

買い取り方式以外にも、キャッシュバック方式というのも増えているようです。

金額的にほとんど価値のない商品をカードで購入させ、キャッシュバックと称してその何割かを業者が利用者に現金で戻す方法です。

クレジットカード

どちらにしても現金を受け取ることはできますが、キャッシュバック方式では約束されたお金が渡されない被害もあるようです。

しかし、カード会社からの請求書には(当たり前ですが)50万円と書かれています。一括払いであれば、翌月あるいは翌々月には50万円を支払う必要があるのです。

業者のホームページ等を見るとかなり高い買取率が書かれています。しかし、「換金率最高98%」等と書かれていても、ホームページのどこかに「換金率表の割合は最大値となっています」等と書かれています。そして、実際にはもっと低い率となりますから注意が必要です。

翌月に一括支払いをするのであれば、クレジットカード会社への支払いに利息は発生しません。しかし、50万円の買い物でカードを利用して、10万円が手数料として取られているわけですから、年利換算すればどれほど高金利かわかるでしょう。

利用してはいけない

数年前ですが、すでにこのクレジットカードを利用して現金化している経営者からご相談を受けたことがあります。返済や支払いそして納税を優先するために手を出していました。

しかし、相談を受けた時には返済や納税が滞りもうどうしようもできない状態に。そもそも経営悪化が続いていたのですが、このクレジットカードの現金化でより資金繰り悪化が加速したようでした。

経営者は資金繰り対応に時間が取られてしまい、本来のやるべきことが全くできていませんでした。その結果、ご相談を頂いてから数か月後には廃業することに。

資金繰りに困って利用する(利用したい)経営者もいると思います。しかし、一時的に資金繰りが楽になれたとしても後の負担が大きすぎます。そもそもクレジットカード会社は換金目的での利用を認めていません。

したがって、ショッピング枠の現金化には絶対に手を出さないようにしてください。