金融機関から営業に来てもらうためには

銀行融資

4月13日のブログ(取引金融機関の数が多すぎる)で、取引金融機関の数が多すぎるのは問題と書きましたが、逆に少なすぎるのも考えものです。

1行取引では関係が悪化すれば資金繰りに影響が出るからです。複数と取引をしていれば適度な競争が生まれ、金利等の条件面で企業が有利になりやすいといえます。

ではもう少し増やそうと思ったときどうしたらいいでしょうか。

今まで取引が全くない金融機関から融資を受けることもできますが、それではこちらがお願いする側になってしまいます。できれば向こうから融資のセールスをしてもらえるように働きかけたいですね。

預金口座を開設する

まずは普通預金口座を開設します。メガバンクを除いた地方銀行、信用金庫あるいは信用組合で、皆さんの企業規模に合った金融機関を選びましょう。

取引先からの入金口座に使いたいなどと伝え、その時は融資の話は避けます。するにしても「いずれは融資取引もしたいと考えています」程度にしておきます。

「急いで融資を受けたいです」と言っては、今付き合っている金融機関からフラれた、あるいは相当資金繰りに困っていると思われるだけです。

最近は口座開設が厳しいですから、企業の実態があるのか一度訪問したいと言われたら、その時に自社の事業内容を説明しながら決算書を見せるのが良いでしょう。

口座が開設されたら、すでに付き合っている金融機関との関係もあるので、すべてとはいかないまでもできるだけ売上代金の入金口座にしたり、可能な範囲で預金を移して残高を置くようにしてください。

そして、担当者が付くようになったら、その方に決算書や試算表を渡して経営報告をすればいいし、もしいなければ融資課に持っていくことで、徐々に提案を受けやすくなります。

訪問してきたら必ず対応する

帝国データバンク等の情報を参考にしながら、突然、自社に知らない金融機関が訪問してくるかもしれません。

そんなときに、「忙しい」と面談を断ってはいけません。それは社員にも徹底しておきましょう。金融機関が訪問してきたら社長につなぐようにと。もし不在であれば名刺を頂いて後で連絡するようにしましょう。

訪問してきたら必ず会って話をしてください。担当者はセールスに来ているのですから、こちらにとってはチャンスです。

決算書を提出するのは初日ではなく2回目の方がいいかもしれません。それは資金繰りに困っている企業に見られたくないからという理由です。「取引銀行に預けたままになっているので、次回までに3期分揃えておきます」などと言ってもいいでしょう。

また、決算書の内容があまり良くないのなら、「うちの決算書はあまりよくないから」と事前に言ってみましょう。それでも自社への融資に積極的なら決算書を提出します。決算書だけで判断せず、企業の事業性で評価する金融機関も多いのでチャンスはあります。

そうなるためにも信用調査会社から調査依頼が来たら必ず対応してください。中小企業なら評点が50点以上ならまあ優良でしょう。

調査に応じる義務はありませんが、金融機関の関心を持ってもらうためには応じてください。

どちらにしても余裕のあるうちに対応することが必要です。