FLR比率

中小企業経営

飲食業で起業する方はとても多いのですが繁盛していないお店も多く、すぐに閉店してしまう事も結構多いです。

日本政策金融公庫の業種別経営指標を見ると、総資本経常利益率は-11.5%、売上高営業利益率は‐25.0%等と業界平均は結構厳しい数字が出ています。

 飲食店・宿泊業の2ページめを参考にしました。

このように飲食業の経営は楽でなく、むしろ苦しいところが多いのです。

FLR比率

飲食店がすぐに廃業する理由としては、集客が出来ない、リピート率が低いという事もありますが、経営者が数字に弱い(どんぶり勘定)というのもあります。

料理人という立場としては、少しでも良い料理をお客様に提供したいから材料費にお金をかけたいでしょうが、経営者としての立場で物事を考えなければなりません。しっかり利益を出してお店を繁盛させていく事が必要です。

飲食業界においては、FLR比率(またはFL比率)がとても大事な数字として知られています。

Fはフード(材料、ドリンクを含みます)、Lはレイバー(人件費)、Rはレント(家賃)を指します。

FL比率でしたら、F+L/売上高で60%以内

FLR比率でしたら、F+L+R/売上高で70%以内

であることが大原則です。これは全ての飲食店に共通です。

飲食業はこの3大コストが経費の大半を占めています。この比率は目安ではありますけど、FLR比率が70%以内に収まっていないと経営が厳しくなってしまいます。

借入金の返済や利益を蓄積していくため、売上高の10%程度の利益を出すことが目標とすれば、それ以外の経費は売上高の20%程度までに抑える必要があるのです。

飲食店の経営者さんで、経営があまり良くないようでしたら、自分のお店では何%なのか確認してみて下さい。

最近は材料費、特に人件費が上昇傾向にありますから、結構経費が掛かっているお店が多いかもしれません。

もし、大きく基準を超えているようなら、早期に改善をしていく必要があります。材料の廃棄が多かった、あるいはアルバイトのシフトに問題がなかった等の原因を見つけ価格見直し等の改善をしていくようにしましょう。

試算表で毎月の数字を確認

今までも飲食店の経営をお手伝いしてきたことはありますが、経営がしっかりしているお店はほぼこの比率以内に収まっています。そしてそれら飲食店の経営者は、だいたいの原価や利益率を把握しています。こちらが試算表の説明をする前に材料で何パーセントかかっているかを言ってきます。

良い料理を提供するのはもちろん大切ですが、事業を継続するのに必要な利益が出ているか、試算表で毎月の数字を見ながら異常がないか、無駄な支出がないかを確認してください。