キャッシュの入りを増やす

資金繰り

キャッシュフローを改善するには、キャッシュの「入りを増やす」か「出を減らす」しかありません。

そして、入りを増やす方法として、「利益を上げる」と「回収を早くする」の二つがあります。ここでは、回収を早くする方法についてお話したいと思います。

回収を早くするためには、取引条件の改善、販売先の見直し、売上債権回収強化が考えられます。またそれ以外にも、(業種によっては)問屋を通した販売を直接販売に切り替えることで相手業者にこれまで以上のマージンを提示し、こちらも有利な取引条件を受け入れてもらうという事も考えられるでしょう。

1、取引条件の改善
売掛金や受取手形等の売上債権は、1日でも早く支払ってもらえれば、こちらのキャッシュフローはプラスに改善されます。あるいは現金と手形の回収比率を現金の比率を多くしてもらうことでも改善されます。そこで、取引先には早期の回収ができるよう条件変更の見直しを交渉する必要があります。

2、販売先の見直し
こちらにとって取引条件が良い取引先の開拓、または取引先に変更することも、キャッシュフローの改善につながります。

1と2は簡単ではない

しかし、1と2についてですが、実際にはそんなこと分かっているけど、中小企業では難しいという意見が多いと思います。その通りでしょう。

一般的に中小企業は力が弱いですし、買ってもらっているという立場になってしまいます。したがって、取引条件の良い先を見つけて、条件の悪い先を切っていくという事は難しいでしょう。

3、売上債権回収の管理強化
中小企業は、売ってもその後の回収がしっかりできていない事が見つけられます。販売して売上が計上できると、そこで満足してしまい売上債権の管理が疎かになる経営者は結構いらっしゃいます。

請求書を発送するのを(渡すのを)忘れていた、とか、発送が遅れてしまったのでさらに1か月先の入金になってしまった、というのがあります。また、相手先もお金がなかったわけではないけど、支払いを忘れてしまっていたということもあります。そのため、売上債権が膨れ上がっているのです。

売上債権の管理をしっかりやっても回収が早くなるわけではありませんが、支払ってもらうのが遅くなるのを防ぐことはできます。また、すでに膨れ上がっている場合は、回収を早くすることになります。

売上債権の管理は社内だけで行うことができますから、しっかり管理を行っていきましょう。

営業社員には、販売ではなく回収までが大切であることを常に意識してもらうようにしなければなりません。販売実績だけでなく回収実績も業績評価に加えることも効果的です。