設立第1期目の決算月変更

法人を設立する際、資本金、社名、所在地、決算月等、決めることはいろいろあります。

当社の顧問先であった話です。

1月中旬に起業された顧問先は、法人設立の登記を依頼した司法書士がかなりいい加減な方だったようで、社長のご家族が経営されている企業の決算月と一緒の方がいいだろうとの(よく分からない)理由で、6月を提案してきたそうです。専門家からそんなことを言われると従った方がいいのだろうと同意し、税務署等にもそれで届出をしていました。

これでは第1期目は5カ月半になってしまいます。

もちろん6月決算にしたい理由があればかまいません。しかし、申告や納税の時期が早く到来しますから、それだけ税理士への申告書作成報酬や納税がすぐにやってくることになります。通常はあまり望ましいとはいえないでしょう。

それに消費税にも影響があります。資本金を1,000万円以上にしなければ、2期間は納税義務が免税されると聞いたことがあるかもしれません。そういう意味からも1期目はできれば1年にしたいところです。ただ、数年前の税制改正で1期目の上半期の課税売上高や人件費の支払いが1,000万円を超えた場合は、2期目から納税義務が発生する可能性があります。だからこそ決算月は事前によく考えた方がいいのです(この箇所について詳しくは税務署や顧問税理士に必ず確認してください)。

顧問先は1期目を短くする理由がなかったので、本当は1月中旬からスタートし12月末までにしたかったのです。

1期目途中での決算月変更は可能

この決算月ですが変更は可能です。ただし、決算月が到来する前に手続きが必要です。顧問先は6月30日を決算日としていましたから、それまでに変更する必要があります。

手続きとはいっても、そう難しいものではありません。

株主総会を開催し定款変更の決議を行います。内容としては以下のようになるかと思います。詳しくは法律の専門家に確認してください。

議案 定款変更の件

提案第〇条及び第△条を次の通り変更することとする。

第〇条「当会社の事業年度は、毎年7月1日から翌年6月30日まで年1期とする。」とあるのを、「当会社の事業年度は、毎年1月1日から12月31日まで年1期とする。」と変更すること。

第△条「当会社の最初の事業年度は、当会社設立の日から令和3年6月30日までとする。」とあるのを、「当会社の最初の事業年度は、当会社設立の日から令和3年12月31日までとする。」と変更すること。

そして、変更したら税務署、都道府県税事務所と市役所(東京都23区なら税務署と都税事務所)への変更届け出をしてください。なお、登記は必要ありません。

決算月はよく考えて

ただ、できれば後で面倒なことは避けたいですから、これから起業される方で法人設立を考えているのなら、決算月を何月にするのかはよく考えてからにしましょう。

先ほどの消費税のことなら、事業開始からの収支計画や設備投資計画も考えた方がいいでしょう。

売上や資金繰りが月によって変動が大きいのでしたら、できれば納税資金が確保しやすい月を申告納税月にするべきです。5月に売上が多く発生し入金は6月に多いのなら、その2か月前の4月を決算月にすることも考えられます。

よく考えずにイメージから3月決算、5月申告を選択する企業も多いと思います。別に大企業に合わせる必要なんてないですし、申告を税理士事務所に依頼するのなら5月は非常に忙しい月になるので、丁寧に対応してもらえるよう3月を外す選択肢もあるでしょう。

法人設立登記を依頼したとき、親切な司法書士さんなら決算月について何らかの助言があると思います。しかし、そうでない方も多いので一度は専門家に相談されるといいと思います。創業融資についてコンサルタントの支援を受けるつもりならその方に相談してもいいでしょうし、税務について税理士の支援を受けるなら契約時に聞いてみましょう。

銀行や税理士事務所等で勤務した経験を活かし、経営者の右腕・参謀として資金繰りや経営改善、銀行取引についてご支援します。相談できるコンサルタントや専門家がいなければいつでも連絡してください。

プロフィール

関連記事