私が子供の頃、家にお風呂はありましたけど、近くに銭湯があって親と一緒に行っていました。
幼稚園に入る前ぐらいの頃ですが、新幹線のおもちゃを持って行き、お風呂の中で遊んだり、近所のおばさんと話をしたりした記憶があります。
銭湯の市場環境
昔は銭湯に行くのが当たり前だったでしょうが、高度成長期の中、住宅事情の変化により内風呂率が高まったことから、銭湯の置かれた市場環境は厳しいものがあります。
減少し続ける銭湯
今はほとんどの家にお風呂があります。
銭湯に行く必要もなくなり、東京都内の公衆浴場(銭湯)の件数は令和5年で444軒と大幅に減少していることが分かります。
私が子供の頃に行った銭湯も約10年前に廃業しました。
スーパー銭湯・スポーツクラブの存在
私はスポーツクラブの会員になっているのですが、お風呂やサウナがあります。月会費1万円程度ですから、運動をしなくても銭湯代わりに利用している人もいます。しかし、東京都は令和6年8月1日から大人料金が550円です。スーパー銭湯もそうですし、スポーツクラブとの競合も大きな影響を与えています。
一浴場当たりの平均入浴人数は増加
しかし、延利用者総数は減少し続けてきましたが最近は横ばいが続いています。公衆浴場数の減少が大きいためか、1浴場の1日当たりの平均入浴人員は次のグラフのように増加しています。
高齢者が中心でしょうが、自宅にお風呂があっても広いお風呂が好き等の理由で、銭湯に行く人はまだまだ一定数いるのが分かります。
銭湯経営に関心を持つ若者
銭湯は深刻な事業承継難にありますが、銭湯に関心を持つ若者もいるようです。
東京都公衆浴場生活衛生同業組合が「銭湯経営をしたい」という要望に応えるため、2018年6月9日に「銭湯に興味がある方へのセミナー」を開催し、20代から40代まで16人(うち女性6人)が参加しました。ホームページに開催報告があります。
銭湯経営者を支援する東浴信用組合
浴場業の業域信用組合である東浴信用組合という金融機関があります。
この信用組合は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の浴場業及びこれに関連する事業を営む中小規模事業者のための金融機関です。
東浴信用組合では、銭湯経営を始めたい方を対象とした融資商品「ツナグ」の取り扱いを開始しました。
預かり湯経営者向け融資で、新しい浴場経営者の誕生を後押しする融資商品です。
東京信用保証協会の保証が必要で担保は原則不要です。この記事を最初に作成した2018年7月10日時点では、融資金額は8千万円以内、期間は運転資金10年以内、設備資金15年以内、金利は固定で年2.4%ですが、女性や若者(39歳以下)の創業は0.5%引き下げます。
すでに銭湯経営をされている方で融資を考えている、そして「日本の銭湯文化を残していきたい」、「銭湯経営に関心がある」とお考えの方は、東浴信用組合に相談されるといいでしょう。