中小企業経営

第二会社方式

2018-11-26

第二会社方式という再生手法があります。

大幅な債務超過や過剰債務を抱えて財務状況が悪化している企業が、採算事業と不採算事業に分けて、採算のある事業だけを新会社に移し、不採算事業や過剰な債務は旧会社に残したまま清算するという再生手法です。

作成した事業再生計画について全金融機関の同意を得た上で実行し、実質的には金融機関から債務をカットしてもらうのと同様の効果が得られます。

いいところだけ残して悪いところは清算してしまうわけです。

「金融機関に債務カットしてもらうなんて可能なのか」という疑問を持たれる方もいるでしょう。かつてはタブー視されてきた債務カットしての第二会社方式ですし、まだ企業の再生手法としての件数は少ないですが、よく聞かれるようにはなってきました。

どんな企業でも受けられる再生手法ではありません。新会社は採算事業で安定した経営が確保でき、従業員の雇用を守ることも必要でしょう。不採算事業や過剰債務を切り捨てれば、再生が十分可能な企業が対象となります。

金融機関は債権放棄をするわけですから、こんな経営結果になった責任が経営者自身にあることを認め、従業員や取引先を守るため再生支援してほしいという覚悟が必要です。自分を守りたいと考える経営者では金融機関の支援を得られず、第二会社方式での再生は難しいです。

また金融機関に一切説明しないまま第二会社に移行して、現法人は借入金等の債務だけにしようとする経営者もいます。そういうケースは多発しています。

第二会社方式をアドバイスする専門家もいます。専門家は進め方やリスクを理解して経営者に説明している場合もありますが、中にはそうでない方もいるようです。実際、私も数年前に製造業の社長が集まる勉強会に参加したことがあって、その時の講師が注意点やリスクを説明せず、第二会社方式は金融機関に黙って行って構わないと言っていました。

確かに法的には債権者への同意や通知を行うことは不要です。しかし、様々な条件や注意点がありますから注意が必要です。

それに金融機関の立場から見て、知らない間に第二会社が設立されていて、事業の一部が移転していたらどう思うでしょうか。おそらくそんな企業を信用しないでしょう。

金融機関は法律上の追及を行うことができないとしても、問題ある企業として自行内の記録としては残る事になります。それは旧会社だけでなく新会社も一緒です。

事業再生のキーマンは金融機関です。債権者である金融機関にはしっかりと説明し、全金融機関の同意を得てから実行する事が前提です。多少時間はかかるでしょうが、金融機関を味方につけるよう交渉してください。それのほうが長い目で見れば再生のためになるのです。

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代表 瀬野正博

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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