経理業務

消費税の税込処理と税抜処理

2018-10-05

消費税の経理処理には、税込と税抜の2つの処理方法があります。そして、消費税を納付する義務のある企業は、どちらを選んでもかまいません。

例えば、商品を10,800円で仕入れて、32,400円で売上が計上し、消費税額を計上した場合の仕訳は次のとおりです。

税込処理なら

■税抜処理なら

 

となります。

■税込処理

当社の顧問先の中では、どちらかというと小規模な企業で多く選択されています。

税込処理だと、決算書作成時に消費税額が確定したら(租税公課/未払消費税等)で計上し、翌期で納付した時に(未払消費税等/現金)と処理します。

消費税額分だけ売上高が多く見えるので、売上金額が気になる経営者の中には税込処理を好む方がいます。

それに、納付した時に(租税公課/現金あるいは預金)で処理し、費用計上を遅らせることで利益調整ができてしまいます。会計のルール上は問題ありますが、税務署からは特に指摘されることはありませんから、何とか利益を出した決算書にしたい企業では税込処理が好まれるようです。

しかし、問題点もあります。税込処理だと消費税額がいくらなのか、試算表等から直ちに把握することが難しいのです。売上等の受け取った消費税額から、経費等で支払った消費税を計算して算出しなければならずやや面倒です。

それに期中管理で試算表を眺めていても、消費税額が含まれた利益となっているので、それが本当の自社の姿だと勘違いしてしまう経営者が多いですから、注意が必要でしょう。

■税抜処理

税抜処理は先ほどのように、仮受消費税や仮払消費税と何だか余計な仕訳が発生してきますから仕訳が煩雑になります。しかし、ほとんどの企業が会計ソフトを使っているでしょうから、今はそれがデメリットになることはないでしょう。税抜処理のおかげで自社が納付すべき消費税額が簡単に把握できます。

税抜処理で経理をやっている企業の試算表には、資産の部にある仮払消費税、負債の部にある仮受消費税に金額が計上されています。その差額が集計期間の消費税額となります。10月の試算表なら10月だけの消費税額、4月から翌年3月までの集計なら1年間の消費税がすぐに分かります。もちろん、仕訳入力時に消費税処理が間違っていれば、正確な数字は出てきませんから注意して下さい。

■税抜処理がおすすめ

税込処理が間違いというわけではありません。それに簡易課税を選択されている企業なら、税込処理を選択することになるでしょう。

しかし、本則課税の企業でしたら税抜処理が理想的だと思います。消費税額を差し引いた数字で自社の現状を把握することができますし、現状では消費税額がいくらなのかと気になる経営者は直ちに確認することができます。消費税額が分からない状態では資金繰りの計画もままなりません。

税抜処理の方が試算表でも常に消費税額を意識することになりますから、そういう意味からもメリットは大きいといえるでしょう。

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代表 瀬野正博

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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