何月に申し込んでも融資の結果は一緒だと思われるかもしれません。しかし、融資が通りやすい月は存在します。それは3月、9月、12月です。
3月と9月が通りやすい理由
多くの金融機関では、会計期間は4月から3月です。
そして、3月が決算、9月は中間決算の月となります。すると、4月から9月、10月から3月ごとに目標が立てられ、それぞれスタート月の4月と10月にそれをどうクリアしていこうか会議が行われます。
ノルマは多岐にわたっておりますが、融資額という目標は当然あります。しかも、目標は結構高いことが多く、行員の評価でも高いポイントとなります。だから、みんな力を入れるのですが、期末の3月や9月に入っても本部から与えられた目標には届いていないケースが多い。
各行員は自分の評価に影響しますし、トップの支店長は次がないかもしれませんから、何とかノルマをクリアしたいと積極的な行動に出やすいのです。クリアできないにしても、本部から怒られない程度に何とかしたいと思うようになります。
だから、普段なら「うーん、この案件はやりたくないな」と思うような案件であっても、期末になると「融資額を増やせ」となり必死になって行動するし、融資額の増加を狙って審査がやや甘くなりがちです。
来月は9月です。やや甘くなりがちな月ですから、今のうちに担当者が稟議書を作成しやすいよう資料を準備しておきましょう。
ただし、融資の申し込みが多い月でもありますから、あまりのんびり行動していると、9月に間に合わないなんてことになりかねませんからぜひ注意してください。
12月も通りやすい
それ以外に12月も通りやすいです。
なぜなら、12月は資金需要が増加する月だからです。
そんな12月にどれだけ取引先から融資を獲得するかが、目標達成には非常に重要となります。だから、3月、9月と同様に12月も積極的かつ甘くなりがちなのです。
私が勤めていた時も、取引先の社長からは来年1月に融資を受けたいとおっしゃっているのに、上司たちは12月に融資実行させてもらっていることが多かったです。12月にその資金は使わないので、12月30日に実行すれば少なくとも来年1月3日まではそのままの預金・融資残高を維持することになり、若干ですが平均残高を増やすことになります。そういう意味でも12月には融資をしたいのです。
金融機関から借りてくださいと言われない、むしろ消極的な対応を受けている企業は、自社の資金繰りを把握して、できれば3月、9月、12月に資金調達をするようにしましょう。仮に11月に資金ショートしそうなら、9月には融資が受けられるよう早めに行動してください。