中小企業経営

「やめる」判断

2017-08-04

当社の最寄駅に近い場所で居酒屋がオープンしたのですが、3か月もせずに閉店してしまいました。

入口の張り紙には家の都合みたいな理由が書かれていましたが、あまりにも早すぎるような気がします。お店の入り口が目立たないところにあり、しかも地下にあるため、来店客が少なかったので、早々に撤退したのかもしれません。

この件のように今後の来店客数が見込めないため、これ以上損失を発生させないよう早めに会社やお店を閉めるケースはあるでしょう。しかし、多くの経営者はそれができず、いつまでも続けてしまうことが多いのではないでしょうか。

・うちの会社はもう少し頑張れば利益が出る(かもしれない)から、親族や友人、高金利のところからも借りて経営を続けよう。

→そのまま赤字を出し続け、さらにどこからも資金調達ができなくなり倒産し、親類や友人に迷惑をかけてしまった。

・この商品はとてもいいものだから、もう少し世間に認知されれば売れるはずだ。もう少し頑張ってみよう。

→良い商品だと思っていたのは自分たちだけで、世間からの評価は低く結局は売れず、多額の損失を発生させてしまった。

「せっかく始めたのだし、もう少し頑張れば何とかなるはず」と無理に事業を進めようとしてしまう経営者の気持ちは分かります。せっかく投資したが、赤字を作ってしまったので、何とかその損失を取り戻したい、と考えるのは当然です。

3年頑張れば必ず成功するといった基準があればいいのですが、もちろんそんなものはありませんね。だから、続けるべきか、撤退するべきかの判断が難しく、皆さんとても悩みます。

人間というのは自分の判断が間違っているというのを認めたくない傾向にあると思うので、さらに判断を遅らせることになるのでしょう。

私はコンサルタントですから、外部の立場から客観的に見て「これはどう考えても無理だろう」と判断できる場合は、経営者に正直に伝える事があります。「せっかく頑張っているのに何てことを言うんだ」と反発してくることはまずなく、「やめるタイミングを逃してしまった」とおっしゃる方がほとんどです。

これから起業する方に、「事業が上手くいかなかった場合を考えてください」と言うのも変な感じですが、自身の役員報酬がある程度満足できる金額をもらえないのに、営業赤字が3期続いてしまったらやめるといった撤退の基準も考えておいたほうがいと思います。あるいは、銀行からの資金調達はできなくなったので、親族や知人にお願いしなければならなくなったら廃業しようとか。

すでに業歴の長い企業でもそうです。借入金の返済や利息の支払いができるためには、営業利益の計上がまずは必要です。企業の規模にもよりますが、債務超過解消の見込みが立たない、3期連続赤字で今後も黒字になれそうもないとしたら、廃業やM&A等も検討されたほうがいいでしょう。

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代表 瀬野正博

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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