取引銀行の支店長がやってきた

銀行の支店長といえば、支店の中で椅子に座って仕事をしているイメージを持つ方が多いと思います。確かにそういう方もいますが、決してそんな方ばかりではありません。
外に出て取引先に訪問するのが好きな支店長と、逆にあまり外に出ない支店長がいます。千葉県八千代市の当社顧問先は千葉銀行と取引をしていますが、その支店には外出が好きな支店長と嫌いな支店長が交互に来ているようだと教えてくれました。
最近の銀行は年齢で分類すると高齢者と若手が多くて、営業の最前線でノルマをこなしていく中堅の行員が少ない銀行も多いため、支店長自らが営業担当者として動いている事もあったりします。
そういう営業目的ではなく、支店長がアポイントを取らずに突然やってくることがあります。時々、当社のお客様からも支店長が来てくれたと連絡があります。
「近くまで来たものですから、ちょっとごあいさつに伺いました」「キャンペーン商品をご案内させて頂きたいと思いまして」と言われた事はありませんか。
支店長がそれだけを目的にやってくることは通常ありません。
本当の目的は別にあります。
企業には決算書等の数字で表すことのできる情報である定量情報、そして数字では表すことのできない定性情報があります。
定性情報といっても範囲は広いのですが、支店長が自社に突然やって来たという事は、書類だけでは分からない、現場での社員の仕事ぶりや雰囲気等をチェックしたいからです。店にお客さんがたくさん来ているか、機械は忙しそうに動いているか、社員に活気があって働いているか、社内は整理整頓がされているか、挨拶ができるか等チェックすべき箇所はたくさんあります。
そういう所をチェックして、融資実行の判断材料、あるいは融資実行後の期中管理の参考にするのです。
こういう定性情報のチェックは、必ずしも支店長が行わなければならないわけではありません。通常は担当者とその上司の課長が行うでしょうが、(金融機関によっては)支店長がチェックすることも多いようです。
だから油断してはいけません。いつ取引銀行の行員が来てもいいようにしておきましょう。