試算表はスピード重視

昨日に続き今回も試算表について書きたいと思います。
試算表を作成しない中小企業は多く、作成するときは金融機関に融資をお願いしたら、提出を求められて仕方なくというケースが本当に多い。
そもそも試算表というのは、金融機関に提出するために作るという考えが間違いであり、本来は自社の経営に活かすために作成する書類です。
・利益は出ているのか
・利益率に異常はないか
・無駄に使われている経費はないか
・前期と比較してどうか
・このままでいくと今期の決算はどうなりそうか
・手持資金は減少が続いていないか
試算表からそれらをチェックして今後の経営に活かしていくのです。だから金融機関としばらく接触することがないにしても試算表は作るべきです。
しかし、昨日も申し上げたことですが、試算表を作成しない中小企業は少なくありません。これは経営面でマイナスですし、金融機関側から見てもいい評価は得られないでしょう。
経理担当者がいない、顧問税理士との関係が悪化しているということが考えられますが、それ以外に試算表作成が遅い企業というのは、数字を完璧にしてから提出すべきとの考えが強いのかもしれません。
例えば、売上金額は請求書から分かりますし、通帳コピー、領収書が揃っていると思いますが、仕入先や外注先からの請求書が届くのが遅いということありませんか。このように確定した金額は分からないが、だいたいの金額が分かるというのなら概算で計上していいのです。
決算書は数字を間違えてはいけませんから慎重に作成しなければなりませんが、試算表はむしろスピード重視でかまいません。100点を目指すのではなく、80点ぐらいの正確性を目標にするイメージです。
会計ソフトを利用しているのなら、前月分の試算表を1週間から2週間程度で作成するのを目標にしましょう。
もしパソコンが苦手で会計ソフトなんて当社では無理というのなら、税理士事務所や記帳代行会社に依頼することになりますが、前月分の必要書類やデータを1週間以内には提出し処理してもらってください。
ちょっと面倒でもどうせやらなければならないのです。それなら早くやったほうが経営改善や資金調達のためにも大きなメリットがありますよ。