正しい決算書にするいいタイミング

このブログで「粉飾決算はやめましょう」と訴えている効果でしょうか、今までの経営を見直したいとのお問い合わせが今年に入ってから増えています。

金融機関を粉飾で騙しても全く気にしていない経営者がいますけど、最近ご相談くださった経営者さんは、みなさん本当の数字を開示して付き合っていきたいとおっしゃっています。

3月決算の企業はコロナウイルスの影響が出始めた頃で決算を迎えましたが、これから決算申告を迎える企業はより影響を受けた内容となるでしょう。中小企業の6~7割が赤字決算ですが、今年はそれ以上の割合になるかもしれません。

むしろこんな時だからこそ無理に黒字にはせず、数字がおかしくなっていた箇所を正しくする良いタイミングだといえます。

在庫が帳簿と実態とで合っていない、回収不能あるいは前倒ししていた売掛金がある、仕入れは発生ベースではなく支払いベースで計上していた、減価償却費の未計上など、それ以外にも粉飾をしている箇所があるでしょう。

もしあるのなら、このタイミングで過去の粉飾を表に出すのです。

もちろん決算書は赤字よりも黒字のほうが評価は良いわけですが、こんな時ですから多くの企業が悪いでしょう。それに売上減少を条件とした融資制度により資金調達は容易ですから、今はあまり気にしなくてもいいわけです。

まとめて一気にそれらを処理すると大赤字になるから不安かもしれませんが、その後も赤字を続けるほうが金融機関の評価は下がります。

このタイミングで金融機関の目を気にして、無理な粉飾で黒字を出し税額が発生すれば、本来払う必要のない税金なわけですから、余計に資金繰りは悪化します。

しかし、過去の誤った数字を正すとはいえ、やり方には注意が必要です。ご存知のように金融機関は営業利益そして経常利益を重視します。

本業での収益力である営業利益、そこから借入金の利息を支払った後の経常利益は重要です。可能な範囲でかまいませんが、損益計算書で経常利益の下に表示される特別損失に計上できるようにし、それが無理なら営業外支出で計上し営業利益は守るようにしてください。

今期は赤字決算になることを過度に心配する必要はありません。大切なのはその後です。コロナウイルスの影響が収束したら本業で利益が出るのか、難しいようなら今からどのような施策を実行するのか、今だからこそ考え準備するのです。

今はコロナウイルスで政府系金融機関や保証協会付き融資が出やすくとも、落ち着いた後はその反動で慎重になることが懸念されます。ぜひ今から自社の経営を見直していきましょう。

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

プロフィール

関連記事