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スルガ銀行は優良銀行?

2018-05-17

先日、あるラジオ番組の関係者さんから、スルガ銀行について出演の依頼がありました。ということで、スルガ銀行について書いてみました。タイトルは「スルガ銀行は優良銀行」です。ブログを読んで頂ければ分かりますが、スルガ銀行を評価する内容ではありませんので、あらかじめお知らせしておきます。

スルガ銀行の問題

女性専用シェアハウス向けの融資を巡るトラブルで話題のスルガ銀行(静岡県沼津市)ですが、15日に記者会見が行われました。そして、社内調査で「相当数の行員が不正を認識していた可能性がある」と謝罪しました。

審査を通しやすくするため、そして多く融資を受けられるようにするため、年収や預貯金額等が多く見えるよう、書類の改善が多数見つかっています。

具体的には、通帳の改ざん、物件価格(開発用地の販売額、建築額)が不当に水増しされた売買契約書も作り二重契約が行われていました。さらに、高いノルマがプレッシャーとなり、営業部門が審査部門より優位に立ち、圧力をかける案件もあったとのこと。

銀行員が苦労して取ってきた融資案件を、何とか承認してもらうため審査部に強く言ってしまう事はあります。それに審査部の行員も営業している行員が苦労して持ってきた融資案件を何とか承認したいと思っているものです。

しかし、いくらノルマや上司からの圧力があったとしても、やっていいことと悪いことぐらい銀行員なら誰でも知っています。それでもやったという事は、よほどノルマの圧力が強すぎたのでしょう。

当社から遠く離れた支店の行員から何度も電話営業があったぐらいですから、かなりきついノルマがあったのではないでしょうか。

スルガ銀行は地方銀行64行の中でも、2017年9月中間決算では預金量は4兆7千億円程度で27位、しかし、収益力を示す業務純益は331億円と3位に位置する数字だけを見ると優秀な銀行です。

スルガ銀行は優良銀行?

私が勤めていた太平洋銀行は、入行したら1年で経営破綻しました。原因は第一相互銀行時代に行われた地上げ屋等への不動産融資が回収不能になったためです。

その件については、このブログでもご紹介した「銀行の墓碑銘、著者:有森隆 講談社」のP450にはこのように書かれていました。

「第一相互の最上恒産グループへの貸出金利は年9.5%に設定されていたという。マチ金なみの高金利である。最上恒産など不動産業者向け融資で高収益を叩きだした。だから、第一相互は、バブルの時代に、預貸金利ザヤ、総資金利ザヤは相銀で唯一、2%を突破、群を抜く水準を確保したため、「優良銀行」と皮肉られた。「優良銀行」という反語は、第一相互が最上恒産グループへのヤバイ融資に支えられていることを、金融界では誰もが知っていたからだ。」

今、どこの銀行も法人融資は低金利競争になっています。そのため不動産投資やカードローン等の個人向け融資に目を向けたものの、やはり法人融資と同じように金利競争に陥っています。それにもかかわらず、地方銀行の貸出金利は平均1.15%だというのにスルガ銀行が約3.6%というのは明らかに高く、それだけリスクがある事をしているということです。

スルガ銀行も第一相互銀行と一緒で、いくら高金利で融資して儲けることができるとしても、してはいけない融資をしていたといえます。そういう意味では第一相互銀行と一緒で「優良銀行」でしょう。

スルガ銀行だけではない

スルガ銀行の件は、かなりの行員が不正を認識していたのはもう間違いありません。そして書類の改ざんに直接関与していないにしても黙認していたり、「あの業者なら融資資料を改ざんしてくれる」と不正を誘導するような発言をする行員もいたようですから、かなり悪質です。

しかし、件数と金額が大きい不正であったことから毎日報道されていますけど、他の銀行でもあります。例えば、粉飾決算をしていると知りながら融資をする、信用保証協会に保証依頼する時に書類にうその内容を書く、等のケースです。

逆に不正をするよう求めてくる銀行員もいます(もちろん、銀行員全体から見れば少数ですよ)。

例えば、
●決算予想が赤字と聞いたら黒字で決算書を作成するよう求める
●銀行員に好かれない勘定科目(貸付金、仮払金)の残高が多い場合、他の勘定科目に変更するよう求める
●(業績が悪化した企業が利用できる融資制度を利用したいので)売上をわざと減らすよう指示してくる

等が実際ありました。

ノルマはこれまで通り高い目標を設定されているが、残業をしてはいけない世の中の流れもあり効率よくノルマをこなすとなると、支店長や審査部から何も言われないで済む決算内容の良い企業にしたいと考えるようです。

銀行員が顧客のために提案やアドバイスをしてくれるとは限りません。顧客よりも自分のノルマを優先し、出世して次の本部や支店に行きたいと考える銀行員はいます。

ですから、銀行員が勧めてきたから安心だと判断する事は避けましょう。自分では判断できないのなら、他の金融機関や各専門家にも相談するようにしてください。

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代表 瀬野正博

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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