資金使途と違う申し込みをさせる銀行員

自分の成績のために粉飾決算を要求する銀行員に出会ったことがありますけど、最近、本来の資金使途とは違う内容で申し込みをさせられた、という話を新規顧客の経営者さん等からいくつか聞きました。
あまり詳しく書けませんが、どれも次のような話です。
設備資金の一部を借りたいと取引銀行に相談したところ、担当者から「設備資金だと融資審査にも手間がかかるし、運転資金のほうが簡単だから」という理由を言われ、信用保証協会(以下、保証協会)に資金使途は運転資金として申込み融資を受けていたのです。
運転資金と設備資金では通常、借入期間が異なってきます。設備資金の方が期間を長く借りることができ、毎月の返済額も少ないことから資金繰り面では楽といえます。
しかし、その件では運転資金として5年程度で借りていたため、毎月の返済額が負担となり、資金繰りに余裕がなくなっていたのです。
保証協会からすると、運転資金についてはもう十分なほど保証をしているという考えでした。そのため、後で運転資金での保証を申し込んだところ、「もう十分ですよね」と言われてしまったとのこと。
このように、保証協会としては設備資金分も運転資金として保証しているのですから、もう運転資金は必要ないだろうと判断するのは当然でしょう。その企業に必要な運転資金を明らかに超えた申し込みをすれば、なぜそんなに必要なのだろうか、資金の使い方に問題がないのか不審に思われてしまいます。
やはり資金使途に合わせた借り入れをするべきなのです。それに、資金使途が違うのは後々の資金調達にも影響してしまいます。
銀行が本来の資金使途と違う申し込みを勧めてきたとしても、資金繰りの面からもふさわしくありませんし、それに同意して保証を申し込むのは経営者にも問題があります。
また、保証協会との関係は重要です。最近は金融機関もプロパー融資で対応してくることが増えてきましたが、業況が悪化してくれば保証協会のお世話になることはこれからも考えられます。1つぐらい金融機関とケンカ別れしてもかまいませんが、保証協会とは良好な関係を維持しておきたいものです。
おかしなことを言ってくる担当者でしたら、他の銀行に相談する、保証協会に直接相談してもいいと思います。
銀行から「楽に資金調達ができますよ」と言われてしまうと、それに従いたくなるのは理解できますが、そういう言葉に乗せられないように注意してください。