先週のことですけど、半導体関連メーカーのフェローテックホールディングスが、韓国子会社での半導体製造装置部材の開発・製造・販売事業から撤退すると発表しました。
「2019-04-16韓国子会社における CVD-SiC 事業からの撤退に関するお知らせ」
その理由は、「昨今の韓国における日系企業に対する司法判断などに鑑みると、司法の独立性が完全に担保されていない懸念があり、潜在的なリスクを現段階で最小化することが最も適切と判断した」と説明しています。
韓国人の請求権問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みであるにもかかわらず、韓国では昨年10月以降、元徴用工を巡る裁判で日本企業に賠償を命じる判決が相次いでいます。
韓国国内にある資産差し押さえの動きもあり、それに対して日本政府は対抗措置を取ると言っています。しかし、日本の政府や政治家は、韓国に対してはとても弱腰ですしまったく使い物になりません。だからもし何かが起こっても助けなんか期待できませんし、自分たちでリスクを認識し早期に撤退するとしたこの判断は正しいでしょう。
中小企業でも海外進出する機会が一層増えてくるでしょう。そんな時、低コストで生産できるなどのメリットばかりに目を向けるのではなく、進出した国で今後起こると予想されるリスクも考えておかなければなりません。
海外進出のリスクだけではありません。経営をしていれば至る所にリスクがあります。潜在的なリスクを最小化することは非常に大切です。例えば、従業員がうつ病になり働けなくなった、ハラスメントがあった、と訴えられる可能性が高くなりました。日ごろから社員教育などを徹底し対策を取る必要がありますし、金銭的な問題に発展した場合の保険がありますから、それでリスクを減らすことはできるでしょう。
銀行融資でもそうです。取引金融機関が1つだけですと、もしそこから資金調達できない場合は自社の資金繰りは狂ってしまいます。リスクを最小化するためにはやはり複数取引が常識です。
リスクを予想し備えることで最小化することは経営者の大切な仕事ですが、売上や利益の拡大に目が行きがちで守りが疎かになる事がよくあります。ぜひ注意するようにしてください。