中小企業経営

厚生年金未加入156万人

2019-04-08

先週のニュースで、厚生年金の加入義務があるのに未加入になっている人は、推計で156万人いることが厚生労働省の調査で分かったと報道されていました。産経新聞2019年4月5日「厚生年金未加入156万人 40万事業所」

2017年10月から18年3月にかけて、自営業者ら国民年金の第1号被保険者約1575万4000人から抽出調査した結果をもとに推計とのことです。3年前の調査からは44万人減少し改善されてはいるものの、依然として多いですね。

すべての法人と、常時5人以上の従業員がいる個人事業所では加入が義務付けられています。しかし、企業が保険料の負担を避けるため加入逃れをしているケースが多いわけです。毎月結構な負担増になりますから。起業して加入し支払い始めた経営者さんからは、「こんなに取られるのですか」と確実に言われます。

これから起業される方は事業計画を作成する際、固定費の中に会社負担分の社会保険料を反映させて、売上高や販売単価を考えることができるでしょう。

しかし、企業の中には社会保険未加入でやっと利益を出してきたのに、これから加入することで発生する負担を、値上げにより販売価格に反映させることができないと考える経営者もいます。仕事の単価が下がり以前より利益が得られない、値上げを要求すれば仕事が取れないと嘆く中小企業もあるでしょう。

ただ、加入義務があるのに未加入の企業は、より一層加入を強く求められることになりますし、それ以外にもデメリットが増えることになりそうです。

当社は市川市にありますが、ホームページを見ていたら「社会保険等未加入対策について」というお知らせがあり、次のように書かれていました。

「社会保険等未加入建設業者との下請契約の禁止について(平成31年10月1日施行)、建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保や事業者間の公平で健全な競争環境の構築を目的とした国、千葉県の社会保険等未加入対策の取組みを踏まえ、下記のとおり、市川市が発注するすべての建設工事において、社会保険等未加入建設業者との下請契約の締結を原則として禁止します。」

すでに建設業界では、公共事業の受注で社会保険の加入が厳格化されていますし、昨年12月には日本政策金融公庫や沖縄振興開発金融公庫の一部融資制度で社会保険の加入が義務付けられると報道されました。

税金に加えて「社会保険に加入し未納はないこと」というのが、すぐではないにしても融資の条件になる流れに向かう可能性もあるでしょう。

まだ未加入の企業経営者さんは、もう未加入のままでは済まなくなっています。未加入で何とか利益を出して返済をしているけど、社会保険料の負担によってそれが困難になる、と不安な経営者さんもいるでしょう。それはとっても理解できます。私も最初はそうでしたから。

まずは加入したらいくら会社負担分が増加するか確認し、その影響で利益が出ないか、返済ができなくなるかシミュレーションしてみてください。とりあえず元金返済はないと仮定してかまいません(返済よりも税金や社会保険料が優先ですから)。

さらに返済や社会保険料負担が増加しても事業が継続できるにはいくら売上が必要かを計算してください。そしてその目標売上は実現可能なのかどうか社内で検討してみましょう。

まだ未加入だ、あるいは加入したけど支払いがきつい(きつくなりつつある)、でもどうしたらいいのか分からい、という経営者さんはぜひお付き合いされている専門家に相談してみるといいでしょう。

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代表 瀬野正博

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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