子供に継がせたい会社ですか

当社を設立してしばらくした頃だったと思います。群馬県で年商10億円規模の企業経営者から電話でのご相談がありました。

「私、父から引き継いだのですが赤字続きで、現預金がないくせに借入金は多い会社だったのです。父はちゃんと経営しているのかと思ったらこんな会社だし、社長になって後悔しています。これからどうしたらいいか。」という相談でした。

こういう感じの企業は意外とあります。

父親から社長の話をもらって、経営内容をよく確認もせず社長になってしまい、いざ財務内容をチェックしたらとんでもない状況だったと。

あるいは、決算書を見たらそれほど悪くはないと思ったものの、実際にはかなりの赤字を出し続けていて、それを隠した決算書だったこともあります。

お電話のあった群馬県の企業は、少なくとも20年は粉飾決算を続けていました。

粉飾決算は主に金融機関からの資金調達を円滑にするため、財務内容の良好な企業に見せかけるために行います。

損益計算書では赤字なら黒字にして返済能力があるように、貸借対照表は自己資本が大きく安全性の高い企業に見せかける、あるいは資産の部からは資産性の疑われるような勘定科目を消すなど、勘定科目や金額に手を加えるのです。

一度ならまだ本当の数字が分かるでしょうが、それを長年にわたって繰り返していくと実態が分からないし、過去を振り返ってもどこから経営悪化が始まったのか全く見当がつかないのです。それが粉飾決算の厄介なところです。

後継者の多くは経理や財務についての知識がありません。その結果、金融機関のみならず後継者も被害者になってしまうのです。後継者になる予定の方、企業の経営実態をよく確認しましょう。

中小企業経営者の平均年齢は60代に入っていますから、後継者について悩む経営者は多いことでしょう。同族会社なら自分の子供を後継者にしたい、と考える方が多いかもしれません。

ぜひ後継者候補には本当の経営実態を説明してください。先祖や自分が続けてきた企業をここで終わらせるわけにはいかない、そんな理由で多額の借金を抱えて、どうしようもできない企業の代表取締役に据えることは避けましょう。それはとても不幸な結果を招くことが多いですから。

不採算部門を廃止すれば黒字決算は可能だが、多額の借入金が経営改善の邪魔をしているのなら、取引金融機関にも説明し、後継者には別会社を作ってもらい取引先や従業員を移行する方法も考えられます。

そのためにも、粉飾決算なんてするべきではないし、すでにしてしまったのなら粉飾前の数字がどうなっているのか、実態を把握する必要があるのです。

銀行や税理士事務所等で勤務した経験を活かし、経営者の右腕・参謀として資金繰りや経営改善、銀行取引についてご支援します。相談できるコンサルタントや専門家がいなければいつでも連絡してください。

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