中小企業経営

顧客のためにも事業継続を第一に

2019-12-16

小売業や飲食業などのように店舗を構える事業で創業すると、本店以外に2号店、3号店と、多店舗展開したいと考える経営者がいらっしゃいます。

それは悪いことではないし、自社自慢の商品やサービスを多くのお客様に知ってもらいたいと考えるのは良いことです。

ただ、そのように考える多くの経営者は、行動力がありすぎるためか、そのスピードがとても速いのです。それは大きな問題になる可能性があります。

経営者一人ですべての店舗を管理することはできません。信頼できる幹部が必要です。しかし、事業規模の拡大に人材育成が追いつかないため、各店舗の管理が杜撰となって業績にも影響が出てきます。それに本店を出店するときに比べ、出店する場所を決める際の慎重さが欠けてくる(強気になってくる)ケースも多いように思います。

それは店舗だけでなく、複数の商品・サービスを展開する企業でも一緒です。創業時からの商品は順調なのだけど、一つの事業から複数の柱を持つことでより成長・安定させようと考えたのだけれど、赤字商品が黒字商品の足を引っ張るのです。

「自身の役員報酬を増額させたい」あるいは「株式公開を目指したい」という意欲の高い経営者だと起こりやすいような気が。顧客の事よりも自己の利益を優先させてしまうからでしょうか、

その結果、本店(あるいはメインの商品)は少し黒字、でも2号店(その他商品)からは大幅な赤字、企業全体では赤字になってしまう。よくてトントンという結果に。

店舗ごとの収支を見ると赤字店舗が多く、その場で見た私ですら黒字化は見込めなさそうと分かるので店舗の削減を提案すると、さらに出店してその利益で赤字店舗を黒字にしていきたいという考え方の経営者がいます。

というのも企業規模拡大に伴い固定費(管理費)や金融機関からの借入金も増加して、規模を縮小する事に慎重になっているのです。

しかし、収支が改善傾向にあるのなら金融機関も考えますが、そうでないなら新規融資は難しいです。やはり不採算部門や店舗をどうするか早めに判断しましょう。

「せっかく出店したの」にとのお考えは理解できますが、撤退する判断を誤ると大変なことになります。「いつかよくなるはずだ」と考えて赤字を垂れ流し続けて、金融機関から厳しい回答をもらったものの、維持するのも赤字、撤退するにも多額の費用が発生する、どうしようもできない状況になりかねません。こういうタイミングでのご相談が多く、こちらもどうアドバイスしたらいいか迷うことがあります。

創業してすぐに任せられる幹部は育ちません。人を育てながら拡大していかないと成長ではなくただの膨張です。

事業規模の拡大も経営者の判断として大切ではあります。しかし、「お客様から支持を受けている商品を安定して提供する」社会的責任を第一に考えて欲しいと思います。そして、従業員教育もしっかり行い任せられる人材に育てていきましょう。

それを第一に考えた経営を続けていけば、スピードはゆるやかでも着実に成長していきます。長い目で見ればその方が良い結果になると思います。

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代表 瀬野正博

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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