建設業界の経営者さんへ

資金繰り

今期に入ってご相談を受けた企業の多くがなぜか建設関係。

この間のブログで書きましたけど、建設業の赤字企業の割合は約57%で、全業種の平均が62%ですから黒字の企業は多いです。確かにご相談に来られた建設関係の企業はどこも仕事がたくさんあり忙しくて、黒字あるいはちょっと経費を見直せば黒字になるところばかりでした。

しかし、建設業界は金融機関からの金融支援を必要とすることが多い業種だけど、相談企業は融資を受けず(あるいは金融機関との関係が悪化し融資が受けられず)に手持ち資金だけで何とかしようとして、税金や社会保険料が未納になったり、資金繰りが不安定になったりしているのです。

その原因の1つ目として経営者の知識不足があります。これはどの業種でもそうですが、経営者も営業や現場に出ていますから仕方がないでしょう。そしてもう一つは誰もアドバイスというか指摘をしてくれる専門家がいないということです。これは非常に問題です。

税理士は一応いても申告だけ、あるいは顧問契約しているけどあまり接触がないのです。そのため、「今期は税金が〇〇万円になりそうだから、今のうちに取引銀行から融資を受けておきましょう」や「売上が順調に伸びているけど、その分だけ先に支払う外注費や材料費の負担が大きくなり資金繰りが苦しくなります。手持ち資金にゆとりを持たせましょう」といったアドバイスが受けられません。

その結果、手持ち資金は常にほとんどないような状況であり、税金や社会保険料の未納が増加しつつあるので、金融機関からの融資は極めて困難になっていくのです。

今まで金融機関から融資を受けたことがない経営者の中には、「資金使途が何であれ融資を申し込める」、「税金や社会保険料の未納分でも可能だろう」と考えている方もいらっしゃいます。でもやはり資金使途がそういう内容だと一部例外を除き基本的には無理です、

中小企業経営者の多くは数字や資金関係は苦手です。苦手であれば専門家の力を活用すればいいのです。

建設関係といってもいろいろな仕事があり取り扱う内容は様々ですが、売上は月によって大きく変動することが多いでしょう。入金や支払額も一定しません。だからこそ3カ月程度先までの資金繰りは管理するようにしてください。

少し報酬は発生しても資金繰りに関する相談ができる専門家を見つけましょう。せっかく仕事はたくさんあるのに資金がなくて黒字倒産なんて絶対に避けなければなりません。