中小企業経営

継続・撤退の決断

2018-09-20

一度何かを始めたら途中で止めることができなくなってしまい、そのまま続けてしまった経験ありますか。

私の周りには税理士になるために勉強を始めたのだけど、難易度は高いし1科目合格するのに10年かかってしまったという人がいます。結局は税理士になれず高齢になって諦めた人もいます。たとえ資格は取れなかったとしても、会計事務所での仕事には活かされていると思います。しかし、資格取得のことだけを考えると、早めに諦める決断をすればよかったということになるでしょう。

私が勤めていた銀行でも、ある融資先が倒産でもしたら多額の回収不能債権が発生するからと、返済してもらえる充てもないのに融資をし続けました。不良債権が膨らむだけの結果となりました。

経営悪化した企業から相談があると、これらと同じように続けるか否かのアドバイスをしなければならない時があります。

例えば、これまでやってきた事業は安定しているけどこれ以上の拡大が見込めない、そこで多額の資金を投入して新しい事業をスタートさせたものの、黒字になるのはかなり難しい。しかし、多額の資金を投入して今さら引くわけにもいかず、ずるずると経営を続けてしまい手持ち資金は底を尽きはじめ、金融機関からも融資が受けづらくなり粉飾決算で何とかしている、このような企業は意外とあるように思います。

私が「もう何年もその事業をやっているのに利益が出そうにないなら、撤退も検討してはいかがですか」と申し上げると、それではこれまで使ったお金が返ってこないと不満顔ですし、経営者としては撤退という選択肢を受け入れたくはないのでしょう。

それに、経営者が主導してスタートした事業が失敗したとなれば、自分の判断が間違いだったということになるので、それを認めたくないという考えもあるようです。

しかし、いつまでも資金調達ができるわけではありません。金融機関も将来性がないのでは融資実行も無理です。やはり資金の流出を止めるためにも、どこかで継続するか撤退するかの判断をしなければなりません。資金繰りの問題もありますが、できれば3年程度はやってみないと判断が難しいかもしれませんが。

新事業の部門だけで、売上から原価を引いて粗利が出るでしょうか。それ以外にも新事業に関わっている社員の人件費等の諸経費も含めて検討する必要があります。そこから集計してみて、赤字が徐々にでも縮小傾向にあるのなら、継続を前提として赤字幅縮小の改善策を検討するべきです。しかし、その傾向が見られないし、今後のプラス材料もないのであれば、撤退を前提に検討するべきでしょう。

撤退する判断は非常に難しいと思います。しかし、ずるずると続けてしまえば安定している事業にまで悪影響を及ぼすことにもなりかねません。

経営者は社内の意見、金融機関や外部の専門家の助言、業界新聞やネット等から得られる情報も参考にしながら、判断するようにしてください。

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