経営者の性格で再生が難しいと判断されるケース

経営は順調な時とそうでない時がありますが、そうでない時の方が多いかもしれません。少なくとも創業してからずっと順調経営という企業はないと思います。
当社の顧問先の多くもそうです。とてつもなく順調な経営だったものの、それで油断したためでしょうか、金融機関への返済が滞り始めている、税金が滞納している、そんな企業は少なくありません。
経営者を見ていると、企業の再生は難しいかなと思う時があります。特に次のような方だと難しいかと思います。
我慢ができない
この企業は再生できるかどうかの判断基準としては、まずは経営者が生活レベルを下げることができるかどうかだと思います。
豪邸に住んで、高級車に乗って、頻繁に女性のいるお店に出かけ、趣味に多額のお金をかけている、生活レベルを引き下げることはなかなかできないものです。もし経営悪化が起きたら、それらをすべて我慢することはできますか。
それに従業員がぜいたくな生活を維持している経営者を見たらどう思うでしょうか。「俺たちは賞与もないし、昇給もしない、これだけ頑張っても我慢している。それなのになんで社長は今まで通りの生活なんだよ」と思うでしょう。
そうなれば、従業員のモチベーションは低下するし、退職者も増えてくるでしょう。経営を立て直すどころではなくなります。社内に協力してくれる人がいなくなるのです。取引先や金融機関だって、そんな経営者のために支援しようなんて思いません。
逆に経営者が贅沢な暮らしを捨てて、一生懸命に再生のために活動をしていたらどう思うでしょうか。「社長が頑張っているんだ。俺たちも協力しよう」となるでしょう。金融機関もそんな姿勢の経営者なら協力がしやすいものです。
調子がいい時は贅沢しても構いません。しかし、いざうちの会社が危ないというときは、自分の生活レベルを下げられるかどうか、中小企業が再生できるかどうか判断するポイントの一つです。
マイナス思考
経営が悪化してくるとマイナス思考になってしまいます。
だから私や部下が何かを提案しても、「でも・・・」「どうせ・・・」と言い訳ばかり、「やってもどうせ効果ないよ」と、できない理由を探し出そうとするのです。
これは多くの経営者がそうなってしまうでしょうけど、今までと同じことをやっても経営が改善することはありません。だったら、それほどお金もかからずにできることなら、何でもやってみましょう。それでダメなら次の事をやればいいのです。
他人のせいにする
経営が思うようにいかないと他人のせいにする人がいます。政府、政治家、銀行などが悪いと。やはり経営がうまくいっていない企業経営者からよく聞かれる言葉です。
不況業界でもうまくいっている企業はいくらでもあります。冷たいことを言いますが、経営がうまく行っていないのは、やはり経営者に問題があります。自分の経営責任を他人のせいにしても利益は発生しません。他人のせいにするのはやめましょう。
これらはとても理解はできるのですが、やはり考え方を改めましょう。私は本当にダメな会社というのは、ほとんどないと思っています。
中小企業の経営者というのは、調子が悪いと意地になって外部の意見を受け入れられないものです。従業員の意見や他社の成功事例を参考にしてもいいでしょう。困った時こそ、いったん冷静になって周囲の意見にも耳を貸すようにしてください。
自分の生活レベルを引き下げるのは辛いでしょうが、「再生してまた元の生活に戻してやる」と、やる気を出していただけたらと思います。