自分の会社が経営危機に直面していれば、自分が先頭に立って経営改善に邁進していく経営者がいるかと思えば、現実から目を背け、誰かが何とかしてくれるだろうと動かない経営者もいます。当社へ相談に来られる企業は後者が少なくありません。
前者なら再生の具体策を私に説明し協力してくれと前向きなのですが、後者だとそういうのが全くないし、ひどい場合は生活のレベルを下げることすらできません。
こうした危機意識の欠けた社長に困っている従業員さん、あるいはご家族(奥さんとか)はいると思います。先日伺った会社さんはずっと赤字が続きいつ倒産してもおかしくありません。しかし、社長が無駄遣いを止めないため、奥さんが「あんな男、さっさと死んでしまえばいいのに」と非常に怒っていました。
経営がかなり悪化した企業でしたら、金融機関向けに良い数字にしている決算書を出していることが多いでしょう。もしそのような経理処理をしているとしたら、粉飾をしていない本当の数字での現状を把握するようにします。数期間の利益調整をしていない数字を見てもらうようにするのです。ぜひ今後の見通しが厳しいと分かる資料も作成しましょう。
資金繰り表も作成して、「このままのペースで行けば、半年後には現預金はマイナスになる。しかし、取引金融機関からは新規の融資は難しいと言われている」と、先の見通しが分かるようにするといいでしょう。
社長も自社が本当は危機的状況にあるのだろうと理解してはいるけど、見たくない、認めたくないのですが、ここまでされれば覚悟をもって再生に臨むのではないでしょうか。
しかし、経営者はプライドの高い方も多いので、部下や家族からそんな話をされると怒りだしたり、耳を貸さなかったりすることも考えられます。その場合は取引金融機関、あるいは顧問契約している税理士やコンサルタントと一緒になって説明してもらうことも選択肢の一つです。資料作成も支援してもらいましょう。
以前、ある学習塾のCMでやる気スイッチとか言っているのがありましたけど、経営者のスイッチを見つけてONにしてあげることが、当社の仕事だと思っています。
中小企業の場合、経営者が覚悟を決めて再生に取り組み始めると、経営改善は進むことが多いものです。
現実を直視してやる気になる経営者がいますが、その一方で直視すると落ち込んでやる気をなくす経営者もいます。中にはメンタル面が不安定になり仕事ができなくなる方もいます。正直そういう経営者には頑張れとは言えませんしちょっと厄介かもしれません。
その場合、無理をし過ぎないことも大切ですが、自社には再生できる可能性はあるのか、何をどれだけやれば再生できるか具体的に示して、モチベーションを高めていくことが必要でしょう。当社は企業の強み、長所を見つけることは得意なので、お困りでしたらご相談ください。