子供の頃、テストがあるけど勉強しない、夏休みや冬休みに入っても宿題をしない、そして直前になって慌ててやることになってしまい、その度に早めにやっておけばよかったと後悔した経験が一度はあるかと思います。おそらく大人になってもそういう経験をしたことはあるでしょうし、人は追い詰められないと本気で動かないものなのかもしれません。
これまでの結果を振り返る
経営者にもそのような方が多くいらっしゃいます。 自社の経営に何らかの問題が発生しているのに、その問題が軽微でかつ徐々に進行しているためかすぐに対処しないのです。
仮に売上が前期比で30%も減少したら、「すぐに何とかしなければ」と必死で動くかもしれませんが、、毎期数%程度の減少が続いている程度だと、「まだ大丈夫だろう(そのうち何とかなるだろう)」とすぐに対処しない経営者は多いです。
決算内容が良かった頃と比較してみると明らかに悪化しているのですが、それに気づいたあるいは本格的に改善しようとした頃にはかなり重症になっているのです。また、粉飾決算を続けているがために、本当の数字がどうなっているのか決算書を見ても分からなくなり、当社が実態の数字を出してみるととんでもないことになっているケースもあります。
どうか粉飾をしていない本当の数字で自社の業績の推移を確認してみて下さい。少なくとも5期、できれば10期以上です。利益の減少が続いている、または営業キャッシュフローのマイナスが2期以上続いている等の悪い傾向があれば、早期に改善しなければなりません。「どこの中小企業も大変だから(うちが悪くてもしょうがない)」という言い訳で自分を慰めて、何の行動も取らないのは非常に問題です。
みんな大変だからと言い訳したり、粉飾をしたりして現実から逃げているだけでは何の解決にもなりません。自社を本気で再生させようとするためには、まずは現実から逃げずに自社の実態を把握することから始めてみましょう。
今後の見通しは?
今のままで推移していけば、いつ資金ショートするでしょうか。そこを保守的に考えてみましょう。赤字が続き、資金調達も難しくなっているのなら、もうあまりゆとりがないかと思います。
経営を改善していくにもある程度の資金は必要です。それが徐々に減少しているのなら、自社の再生可能性はどんどん低くなってしまいます。
「“まだ大丈夫だろう”“まだ何とかなるだろう”と思っているけど、やっぱり本音を言うと将来が不安だ。しかし、何とかしないとまずいのは理解しているが、相談するのが恥ずかしい」、このように思っている経営者さん、いつまでもそうやって問題解決を後回しにせず、経営の見直しをしていきましょう。