銀行融資

借換えの提案

2018-08-23

小規模企業なら取引金融機関が1行だけということもありますが、通常は複数の金融機関と取引をしているでしょう。

当然、その目的は取引金融機関との関係が険悪になったり、融資を断られた場合に備えたりするためです。

仮にお付き合いしている金融機関が2つあり、どちらとも融資取引をしていたとします。そして、メイン行(A行)のシェアが7割、もう1行(B行)が3割ぐらいのシェアで、過去から現在までその割合をほぼ維持しているとしましょう。

もし皆さんの会社の業績には特に問題がないとしたら、2番手のB行としては「業績も良いし、もっと融資を増やしてメイン行の地位を奪取したい」と考えているでしょう(A行がメガバンク,B行が信用金庫のように体力差があるような場合ですと、借換えを提案するのは規模的に難しいかもしれませんが)。

すると、B行はA行よりも低金利や無担保・無保証等のメリットを強調して、「当行で融資をまとめませんか」と提案してくることがあります。

このような提案があったら素直に応じてもいいのでしょうか。

借換えは慎重に判断を

融資の獲得はどこの金融機関も苦労をしています。

積極支援方針の融資先が他行から受けている融資を、メリットを与えることで借換えしてくれれば一気に大きな融資額を獲得できますから、金融機関としては借換え提案をしてくることも多いでしょう。

しかし、借換えをされた金融機関の立場を考えてみてください。

他行に融資を奪われてしまうというのは、担当者が融資先をしっかり管理していなかったとしてマイナス評価を受けてしまいます。担当者としてはその企業に対してあまり良い感情を持たないでしょう。関係悪化は避けられません。

もうその金融機関と付き合う必要がないのでしたらかまいません。しかし、そうでないなら安易な借換えは慎重にして下さい。

金融機関で競争させる

とはいっても、金融機関担当者に気を遣いすぎる必要はありません。経営者は、少しでも利益を出したい、有利な条件を引き出したいと考えるでしょう。少しでも良い条件を提示されたら検討するのは当然です。

ただ、借換えを提案されても、まずは借換えではなく普通に融資をしてくれないか伝えてみましょう。

そして、A銀行には、B銀行から「低金利」「保証協会付き融資からプロパー融資への借換え」「経営者保証が不要」等による借換えの提案があったことを伝えます。提案書等の書類をもらっていたら、それを見せるのもいいと思います。

それを見たA銀行の担当者は借換えを阻止するため、B銀行と同様またはより良い条件を出してくることが期待できます。

ただ、過度に競争させるのは避けましょう。この融資先は採算が取れないから取引解消もやむを得ないと判断されてしまえば、今後の資金調達にも影響を与える可能性があるからです。

また、借換えを提案してきた金融機関が、メガバンクや県外から進出してきた金融機関の場合は注意してください。

メガバンクは業績良好なら積極的な姿勢ですが、悪化するとそれが期待できません。県外から進出してき金融機関は、低い知名度をカバーするため他行よりも好条件を打ち出してきます。しかし、それだけ支店の収益力を悪化させますから、撤退するリスクもあるのです。

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代表 瀬野正博

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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