経理業務

架空外注費計上による脱税

2021-10-18

2021年10月18日 NHK「架空の外注費計上で4000万円脱税か 内装工事会社社長を告発」

この報道内容を読むと、「社長は外注費の支払いと装うため、下請け会社に銀行振込みをし、協力の謝礼として5%ほどを差し引いたあと、現金で返却させていた」とあります。

この脱税をした企業Aは儲かっているから納税額を減らしたい、そして取引先の中には儲かっていない企業Bがあったとします。儲かっていないB社は繰越欠損金が多額にあるとしたら、A社に対して下請け工事を請け負ったとして売上を計上できます。しかし、架空計上した売上が繰越欠損金の範囲内であれば法人税は発生しません。そして、売上や利益は増加するから金融機関の評価にはプラス、しかも5%を謝礼としてもらえるなら、B社の経営者としてはデメリットがないと考えてしまうでしょう。

A社としては、B社に5%取られてしまっても税率は約30%ですから、(脱税ではありますけど)メリットがあるとなります。

逆に業績悪化が続いている企業が、儲かっている企業に自社の繰越欠損金を使って節税しないかと提案することも考えられます。仮に3,000万円あるとして今後も利益が出る見通しがなく、この報道のとおり5%で買い取ってくれるなら150万円です。資金繰りが苦しい企業であれば、協力してしまう気持ちは理解できるでしょう。

でもA社は脱税、B社は脱税をお手伝いすることになりますから、こういうことを協力依頼してはいけないですし、引き受けるのもやめましょう。

請求書を発行しますし、口座から資金が動くからバレないだろう、と考えないほうがいいと思います。

どの業界でもそうですが、おおよその利益率・原価率というものがあります。工事の種類別、得意先別、金額別にある程度の基準はあるでしょう。例えば金額で200万円に満たないなら利益率30%、1000万円を超えてくると15%以下とか。

工事ごとに違いますし、多少ずれる程度ならまだしも、大きく乖離した利益率になっていれば税務署もマークするでしょう。それに協力した企業にも税務調査は入るのではないでしょうか。

それに脱税でメディアにて報道されてしまったら、取引金融機関はどう考えるでしょうか。納税の義務を果たさない企業に融資をすることはできないでしょう。

確かにバレない可能性はあるでしょう。しかし、バレた時には本来の納税額に加えて余計な税金が発生します。さらに金融機関からも距離を置かれることになりますから、いかに脱税をすべきではないかが分かっていただけるかと思います。

利益に対して約3割が法人税等として納税する必要があります。「3割も取られてしまう」と考えるのではなく、「7割も残る」と前向きに考えましょう。

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代表 瀬野正博

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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