上場への誘い

私は上場の支援をしている専門家ではありませんが、なぜか相談を受けていると近いうちに上場を目指していきたいので支援して欲しいと言われることがあります。みなさんの中には目指している、あるいは考えている方もいるでしょう。

上場のメリットとしては、
・知名度が上がる
・創業者利益の獲得
・優秀な人材が集めやすい
・資金調達がしやすい
・金融機関からの借入について連帯保証が外れる

などがあるでしょう。

金融機関の対応も当然変わってきます。

経営者が「上場する(したい)」と言わなくても、他社とは違う商品やサービスを提供している、または最近評判の会社ですと、「上場しませんか」と甘い誘いを受けることがあるかもしれません。

自分はそんなこととは無縁だと思っていたのに、そういうことを言われると舞い上がってしまう経営者もいます。

しかし、実際にはそう簡単にはいきません。

上場への手続きに必要な資料作成のために人員を確保し、監査法人や証券会社にも報酬を支払わなければなりません。しかも結構多額です。

それでも準備しているすべての会社ができるわけではありません。上場にかかる費用や業務の多さに、途中で挫折することが多いのです。証券会社等からすれば毎月のコンサル報酬を得ていますから、仮に途中で挫折しても儲かるようになっています。

私が少しだけかかわった会社さんは、毎月稼いでいるキャッシュが上場準備に使われてしまうし、社員の負担増も影響して徐々に本業がおかしくなり、上場どころではない状況に陥ってしまいました。

そういうのをいくつか見てきたのですが、創業者利益や知名度だけが目的だと続かないと思います。上場が自社の将来に必要なのか、そして、そのための負担をカバーするマンパワーと資金的余裕があるのか、慎重に考えて欲しいと思います。

これは私の経験上感じることなのですが、上場したいと社長自身から言っている会社であっても、大変失礼ながら投資先としてはあまり魅力的ではない、またはそれ以前という事が多いように感じます。実際、競合他社の方が良いサービスを提供しているのに、自社のサービスはすばらしいと思い込んでいる社長もいました。

これまで否定的な事を書きましたが、上場することが悪い訳ではありません。それに、昔に比べ中小企業でも上場のチャンスも増えたようです。

ただ、「上場しましょう」と近づいてくる人の中には、自分たちも恩恵を受けることが目的である方も多いので、そういう意見に惑わされないようにしてください。

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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