資金繰り

リスケ中の返済額の決め方

2018-09-05

いくら返済するかに決まったルールはありません

業績の悪化や返済額負担が大きいことを理由にリスケジュール(以下、リスケ)を依頼すれば、「とりあえず半年(または1年)は元金返済を0円にしましょう」と言ってくれることもありますが、「少しでもいいから返済はしてください」と言われることもあります。

ただ0円や少額での返済は一時的なもので、その後の返済額をいくらに決めたらいいのかという問題が出てきます。

金融機関への返済原資は、キャッシュフロー計算書でいえばフリーキャッシュフローです。

簡便的に計算するなら、「キャッシュフロー=経常利益+減価償却-法人税等」です。特別利益や特別損失がなければ、税引後当期純利益+減価償却費でもかまいません。

そして、このキャッシュフローのうちどれだけを返済に充当したらいいのか、悩む経営者もいるでしょう。

企業は当然少ない方がいいですし、金融機関は多い方がいいでしょう。ただ、金融機関でも見解が分かれるところなのです。

A 銀行はキャッシュフローの80%を各金融機関で振り分けたいと主張しても、B 銀行はキャッシュフローの50%を返済に充てればいい、と考えに差が出てくることもあります。返済額をいくらにするのかについてルールは存在しません。

手元資金に余裕ができるように

ただ、リスケをしてしまうと新規の融資は通常の状態よりも難しくなります。今後の事業性を評価して融資するケースもありますが、念のため新規融資はないと保守的に考えておいた方がいいでしょう。新たな資金の調達は期待できないものとして、資金繰りを管理しなければなりません。

手元資金に余裕があるのならいいですが、頑張って稼いだ資金を全て返済に充当していたのでは、いつまで経っても資金繰りは安定しません。また、手元資金がないためにビジネスチャンスを成果に結び付けられないようでは、経営改善を遅らせることにもなりかねません。

手元資金が0円に近いレベルなら、月商の一か月分程度の現預金残高になるまでは、返済をストップさせてもらえるよう依頼しましょう。そして、以前のブログでも書いたように月商の3ヶ月程度の現預金を保有できるまではキャッシュフローの半分程度の返済にしてもらい、3ヶ月程度になったら80%ぐらいに増額するよう交渉してみましょう。

もちろんこれは企業によって状況は異なりますし、金融機関も企業の経営状況や担保・保証の有無等によって、素直に認めることもあれば了解を得られるのに時間を要するケースもあります。

自社の経営を安定させ将来の返済を確実にできるようにするためには、企業が返済できる額はいくらか算出して説明できるようにしなければなりません。

なお、返済が直ちに困難になりそうな返済額を提示し、しばらくして再度返済額の見直しを依頼するようでは、計画内容の信頼性を損なうことにもなりかねませんので注意が必要です。

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代表 瀬野正博

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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