粉飾はデメリットしかない

資金繰りや経営改善に関するお問い合わせが2月下旬から急に増えて、ほぼ毎日お問い合わせをいただきます。

先日、お問い合わせいただいたある企業様に面談相談を行ってきました。

私と会う前に他の専門家にも相談されたそうです。それはもちろん構わないのですが、その専門家さんは試算表や決算書を粉飾すれば、希望額を借りられるとアドバイスしたとのことでした。

それはもちろん金融機関を騙す行為ですから絶対にやってはいけないことです。それに自社にとっても経営に悪影響を与える可能性が大きいのです。

例えば、「販路開拓に成功してこれから売上が急増するが、その前に仕入れ資金が必要だ。しかし、借入過多や赤字を理由に新規融資のいい返事がもらえそうにない」というのなら、粉飾をして金融機関から融資を受けたいというのも理解できます(そういう資金使途なら粉飾なんてしなくても、何らかの支援は受けられると思いますが)。

しかし、粉飾をして融資を受けようという場合は、そういう前向きな理由でないことがほとんどです。赤字で流出した資金の穴埋め、高金利で借りた分の返済、滞納した税金の支払い等に使われ、どうやって返済するかが明確でないことが多いのです。

本来の返済能力を超えた借入金は、利息も返済額も多額になります。増えた支払利息の分だけ利益は減っていくし、借り入れた資金を利益が生まれないことに使ってしまえば、今後の返済が資金繰りに大きなダメージを与えます。

粉飾をしてしまうと、銀行から怒られなかったとしても、自社の経営がどういう方向に進んでいるのかを数字で理解できなくなってしまいます。粉飾しているのは経営者も承知しているけど、その嘘の数字が自社の現状を表していると思うようになってしまうのです。そして、粉飾を繰り返していくうちに、自社の本当の数字は全く分からなくなります。したがって、自社が死に向かいつつあるのにそれに気が付かないし、対応策を取るのが遅くなってしまうのがやっかいなのです。

粉飾を勧めてくるコンサルタントや士業は実在します。自社の体力以上の借入をしたいというご相談に沿う回答として粉飾決算を提案し、それで資金調達ができれば悪質コンサルタントは大きな手数料収入が期待できるでしょう。

しかし、それが本当に自社のためになるでしょうか。

悪質コンサルタントはみなさんの会社がどうなろうと、また新たな顧客を開拓すればいいだけです。みなさんの会社の事なんて考えていません。小さな粉飾が問題になることはまずありませんが、度が過ぎたことをすれば逮捕されることだってあります。

自分の都合のいいアドバイスだけでなく、どうか厳しい意見にも耳を貸すようにしてください。

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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