「どうせだめだろうと思って何もしていません」
資金調達のお悩みという事で面談相談を受けていると、何だか融資出そうな感じがするので、「金融機関へ相談に行かれましたか」と確認するとよく受ける返事がこれです。
「赤字決算だから」、「融資がダメだったら、半年間は我慢しなければならないとネットに書かれていた」等の理由で、金融機関に融資の申し込みをしない企業に出会います。断られるのが不安なのかもしれません。
金融機関から「しばらくは融資できない」と明確な返事を受けたというのなら仕方がないでしょう。しかし、断られてもいないし、一方的に経営者が「どうせ融資は出ないだろう」と思い込み対処が遅れ、資金繰りが悪化するのは避けなければなりません。
銀行融資というのは絶対がないところがあります。なかなかいい内容だから融資は出るだろうと考えていたら残念な結果になることもありますし、逆にこんな内容では融資は出ないだろうと思ったら、こちらの希望額が出たなんてこともよくあります。だから、やってみないと分からないところもあるのです。もちろん、しっかり準備をしてから申し込んだ方が成功可能性は高いですけどね。
だから「どうせ無理だろう」と何もせずにいるのではなく、まずは金融機関に申し込みや相談をする、あるいは外部の専門家に相談する程度の行動は起こすようにしてください。
この「どうせ」という言葉ですが、あまり経営が良くない企業ではよく聞かれる言葉です。
業績が悪いから改善策を考えようにも、「どうせ無理でしょう」と言ってあらゆる改善策を否定する経営者がいるのです。経営者自身ではアイデアが浮かばないから、従業員や私が何かアイデアを出しても、「どうせうまくいきませんよ」と。
この「どうせ」はあまりいい言葉ではありません。これが口癖になっているようだと、かなり経営改善は難しいような気がするんですよね。実際、1社顧問先がこういう状況で改善ができていません。新たな取り組みは必要だと認識はしているけど、うまくいくか分からない、失敗したらどうしようと不安になってしまう。でも、改善策を実行せず今まで通りの経営を続けているだけから、今まで以上に一生懸命行動しても好転することはまずないのです。
もし普段から口にしているようでしたら、気を付けたほうがいいですよ。