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コロナ禍では保守的な売上予想を

2020-11-12

自社の経営悪化を何とかしようと自主的に、または金融機関から今後の金融支援を継続するためにと言われて、経営計画書を作成する企業はこれから増えるかもしれません。

経営計画書を作成する際に問題となってくるのが売上の見通しです。

これはお客様の都合もあるし、景気の影響もあるから、見通しを考えるのは容易ではないでしょう。特に新型コロナウイルスの影響を受けている状況では、過去の数字はあまり当てにならないし、感染が収束するか拡大するかで大きく違ってきますから。

そして問題になるのは、中小企業経営者に売上見通しをヒアリングすると、ほぼ間違いなくこれからは順調に回復するとの前提で作られてしまうことです。

これまで何期も赤字で、コロナでさらに赤字拡大、それなのに今期から黒字決算になると予想する経営者が本当に多い。

しかしその根拠を尋ねると、ほとんど信用できないものばかりなのです。例えば、

・これまでずっと景気(あるいは自社の業績)が悪かったのだからそろそろ良くなるだろう
・以前取引があったところにも声をかければ何か仕事をくれるだろう
・今まで以上に気合を入れて営業すれば売上は増えるだろう

こんな感じの理由で今後は売上が増加し続けると予想しているのです。

景気回復局面にあるわけでもなく、企業にすぐれた技術力があるわけでもない、販路開拓に成功していないのに、今後売上が急増し続ける計画書を金融機関が見て何と思うでしょうか。

「社長の希望を書いただけだな、実現は不可能だろう」と思うだけです。今の状況では金融機関は直ちに売上が増加することはないという見方をしてくるでしょう。

前向きな数値計画を書かないと金融機関の態度が変化してしまうから、という理由も理解はできますけど、自社の見通しを真面目に考えることのできない経営者だと、かえって評価を悪くするだけです。

もちろんコロナの中でも新たな販路を開拓したというなら、契約書等で説明できますから売上増加の計画でも信頼してもらえるでしょう。そのようなプラス材料がないのであれば、これから計画書を作成するときは保守的な数字にするべきです。

保守的といっても明確な基準があるわけではありませんし、各企業や業種によっても考え方は様々ですが、これから1~2年はコロナの影響が出てからの月商を基準に考えたほうがいいと思います。間違ってもコロナの影響が出る前の決算書を参考にしてはなりません。

もし売上が少し増加しそうだとしても、現状維持から5%程度増に抑えたほうがいいでしょう。計画と実績に乖離が出てしまっても、8割程度は達成できるような数字にしてください。

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代表 瀬野正博

中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。このブログでは、中小企業経営者向けに資金繰りや経営改善・銀行融資に関する情報を発信しています。

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