銀行融資

資金繰りに余裕があっても融資取引を

2021-05-13

金融機関から融資を受けても助成金や補助金とは違い返済義務がありますから、後になって返せないなんてことになったらと思うと、自己資金だけで経営できるものならしたいと考えると思います。

そのため、「必要のない資金を無駄に借りる必要はない。必要な時に融資を申し込めばいい」といった考え方はあります。一部制度を除き利息の支払いが発生しますし。それとは逆に、借りやすい時に借りておく考えもあります。

確かに私も起業した頃は前者の考えでした。しかし、リーマン・ショックあたりから、少額でも融資取引を継続した方がいいと後者の考えに近くなりました。たとえ融資が不要であるような企業でもです。

なぜなら、経営判断ミスから自社の経営が悪化すれば融資が受けにくいですし、そもそも融資を出さないか時間がかかるようになります。少なくとも条件は悪化します。だから利息は無駄になっても、資金繰りにはゆとりをもたせた方が経営に集中できるし、いざという場合でも迅速に資金調達が可能となるメリットはあるのです。

それに10年に1回は経済危機や自然災害が企業を襲います。どんな優秀な企業でも経営に影響はあるでしょう。当社の顧問先ですが、コロナ前は自己資本比率が80%あったのに今では5%程度まで減少するほど経営は悪化しました。

しかし、この顧問先は日頃から製造した製品を見せたり、当社が作成した試算表を毎月提出したり、何の隠し事もなく社内情報を提供していました。そのおかげで迅速にしかも多額の資金調達に成功し再生に向かいつつあります。

資金繰り上は何ら問題が無くても、少額であっても取引をして、決算書などの資料を提供していた方がいいのです。日頃から多少でも取引があるのとないのとでは、非常時の対応に大きな差があります。顧問先も融資取引がなかったらそこまでの対応は期待できなかったでしょう。

日頃から金融機関と融資取引をすれば、確かに利息支払いは発生するけれども、手持資金にゆとりはできるし、先ほどのように万が一の場合にも担当者は迅速に対応してくれるメリットがあります。

金融機関から「お付き合いしてください」とお願いされるときに付き合ったほうがこちらにメリットはあります。非常時で企業側が「お付き合いしてください」と頭を下げるのとでは対応に差が出ます。

最近は少し落ち着いてきましたけど、「金融機関を紹介して欲しい」とのご相談は時々ありますが、そんな相談をする必要がない金融機関との付き合い方をしていきましょう。

以前と異なり金融機関が非常に強い立場ではなくなり、中小企業が資金調達やリスケジュールをしやすい環境になったと思います。

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